【タビオ会長】「借金の才能」を自覚し、絶体絶命から奮起

2019/1/31

トラックに飛び込もうか

─創業からここまでで、一番きついと感じた経験は何ですか。
越智 独立して5年後、33歳のときに不渡りを出しそうになったことです。期日は2日後で、金額は530万円。
創業時の資金は13万円やったし、商品を作るにも材料代は前払い。少しずつ取引先は増えてきてたけど、そのぶん在庫も負担になっていました。
越智 直正(おち・なおまさ)/タビオ株式会社 代表取締役会長
そんなことが重なって借金はとうとう7000万円にまで膨らみ、身動きが取れなくなってしまいました。「返すためにまた借りる」という、まさに自転車操業。
昭和40年代の7000万円ですから、中小企業にとってはすごい金額です。毎日借金のことばかり考えて、あの頃は本当につらかったですわ。