(ブルームバーグ): パナソニックは米電気自動車(EV)メーカーのテスラ向けに、米ネバダ州にある工場からリチウムイオン電池を供給する方向で調整すると22日付の日刊工業新聞が報じた。

報道によると、テスラは安定調達やコスト削減に考慮して複数社を購入先の候補としているが、取引実績のあるパナソニックが優位にある。テスラの中国生産が軌道に乗れば、パナソニックは電池生産を現地に移す方針としている。

パナソニック広報担当の刑部智恵子氏は報道について、「テスラの中国工場への当社製電池の共有についてはさまざまな可能性を検討しているが、現時点で決定した事実はない」と述べた。

パナソニックの津賀一宏社長は11月のインタビューで、テスラ向けの電池供給について「当初は、例えばアメリカで作って運ぶのも可能だ」と発言。その上で、最終的には中国の国内生産に切り替える可能性も示唆していた。

パナソニックは、トヨタ自動車とEV電池の共同生産に動きだしている。関係者によると、両社は2020年に新会社を設立して電池の量産を始める方針。この新会社はマツダのほか、トヨタ子会社のダイハツ工業やSUBARU(スバル)にも電池を供給する計画だ。

22日のパナソニック株は、一時前日比1.5%高の1109.5円まで上昇した。

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