極秘接触続けた米朝情報機関、首脳会談の布石
この記事は有料会員限定の記事となります
無料トライアルに申し込む
コメント
注目のコメント
いわゆる「バックドア」というやつで、情報機関が裏で外国の情報機関と接触するのは珍しいことではない。日本は対外情報機関がないのでこれができなかったが、昨年8月に北村内閣情報官がシンガポールで金委員長の実妹、金聖恵党中央員会室長と接触したと報じられている。
権威主義国家の権力の源泉はリーダー・党・軍にあり、行政組織の一部としての外務省の地位は低いことが多い。外務省を通じた交渉の限界もここにある。情報機関同士の接触は、リーダーの政治決定や機微な調整に好都合となる。2017年の「最大限の圧力」の緊張下で、北朝鮮と接触チャネルが維持されていたことは感心させられる。
他方で、米朝首脳会談の立役者だった「朝鮮ミッションセンター」長のアンドリュー・キム氏は退任し、後任体制がどこまで濃厚な役割を果たせるかは未知数だ。またCIAは情報収集や工作に長けていても、非核化交渉の全体像に関われるわけではない。