中国の再エネ覇権が世界の地政学を変える
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注目のコメント
面白い視点ですね。昨年のフォーリン・アフェアーズの記事でも、同様の視点bの論文がありました。
「中国のエネルギー地政学―― クリーンエネルギーへの戦略的投資」
エイミー・マイヤーズ・ジャッフェ
米外交問題評議会シニアフェロー (エネルギー&環境問題担当)
https://www.foreignaffairsj.co.jp/articles/201804_jaffe/
今回の記事は1月11日に出たIRENAの
"A New World: The Geopolitics of the Energy Transformation"
https://www.irena.org/publications/2019/Jan/A-New-World-The-Geopolitics-of-the-Energy-Transformation
という記事にも着想を得て書かれているようですね。
確かに発電設備容量でも、生産量でも世界一になっていますが、電力事業としての再エネ開発はローカリティが高いし、パネル生産ビジネスはコモディティ化して血の海。再エネで覇権をとってもエネルギーの覇権は取れないことを考えると、それほど大きな影響はないようにも思います。いずれはわかりませんが。本記事は中国が再生エネルギー部門で覇権を握ることが前提で話が進んでいる。
確かに覇権を握るには十分な理由が書かれている。
例えば「中国の太陽光と風力発電設備量は世界の約3分の1を占める」、「再生可能エネルギーに関する特許件数でも、中国は米国、日本を抜き世界一」だ。
そもそも日本のような先進国では、すでに十分な発電所と全国に電線が張り巡らされている。需要の拡大も少なく、新たに発電所を建設する動機は少ない。
それに比べ中国は需要の拡大、規模のメリット、既存設備の不十分による技術革新のしやすさ、バッテリーや電気自動車(EV)導入による市場開拓と動機が非常に多い。
地政学への影響とは現在化石燃料を供給する側の中東やロシアの影響力が弱まり、新たなエネルギー源を供給する国の力が強くなる事である。
今後は世界中での再生エネルギー設備の建設について、中国に対抗する方法をもっと議論していく方がよいだろう。