慢性腰痛で生産性がダウン 会社勤め8割が自覚、塩野義調査
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腰痛は比較的頻度高くご相談を受ける症状の一つです。腰痛なら整形外科?と思われるかもしれませんが、我々総合診療医や内科医も得意としている病気の一つです。
腰痛でお悩みの方の8割以上は特殊な治療を必要としない、いわゆる腰痛症です。逆に言えば、1-2割の方に単純な腰痛症とは言えない原因を認めます。
たとえば、微熱が続く、寝汗をかく、意図せず体重が減っている、足の力まで弱っている、最近尿の出が悪くなった、こんな症状があれば赤信号で、ただの腰痛と思いきや、重大な疾患が隠れている可能性があります。
我々はそんな時、画像検査を適切に用いて、重大な疾患の可能性を評価します。
腰痛に、なんでもかんでもX線などの画像を撮って見て欲しいというリクエストは、もしかすると風邪に抗生物質を処方して欲しいというリクエストの次によく出くわす誤解かもしれません。これは、各学会からもやめましょうと言われていることで、丁寧な問診と診察で原因を評価できるので、画像検査は多くの場合不要です。逆に、上述したような赤信号が出ている場合には必要となることがあります。
過去には「腰が痛ければ休め」と言われていた時代もありましたが、現在はそれは否定されており、運動療法は慢性腰痛に有効な治療法です。運動はエンドルフィンと言われる、脳内モルヒネとも呼ばれるような痛み止め物質を誘導し、痛みを軽減してくれる、と考えられています。また、マッサージが有効なこともあったり、適材適所の痛み止めが必要になることもあります。
腰痛が続いていて気になる方はぜひ病院へ、総合診療医へお問い合わせください。危険な病気を嗅ぎ分け、その可能性がないことを確認するだけでも、安心につながると思います。以前、腰痛のガイドラインについてもコメントしてたので参考までに転載。
3か月以内の腰痛には、暖めるのが良い。マッサージや鍼、整体なんかも少し良い。
鎮痛薬(NSAIDs)はもし希望が強ければ使ったら少しは痛みがマシになるけれど、効果がないって研究もある。
どんな治療をしても、ほとんどは自然に治る。治るまでの期間は治療で短縮せず、どの治療にも差はない。
3か月以上続く場合、運動・リハビリ・鍼・マインドフルネスが良い。太極拳やヨガ、電気やレーザー治療なんかもちょっと良いかもしれない。
それでうまくいかなかったら、痛み止めを検討。
、、、とのことです。概ねそんな感じ。ロキソニンはNSAIDsの1つですね。
むやみにNSAIDs飲むのはやめましょうというのが世界的な流れです。choosing wiselyなんて運動の1項目ですね。
そういえばだいぶ前からコルセットは否定的だし(ダメではないので、良い感じと思う人は使えばよいが腰痛が劇的に減ったり治ったりしない)、マットレスも柔らか過ぎず硬過ぎないのがいいという話に医学的にはなってます。
英語のガイドラインですが
http://annals.org/aim/fullarticle/2603228/noninvasive-treatments-acute-subacute-chronic-low-back-pain-clinical-practice
個人的には、腹ばいで両手を床について腕を伸ばして背中をそる、「アップドッグ?」のストレッチして寝ると腰痛はだいぶ治ります。記事にある松平先生の体操に関心ある方はこちらをどうぞ。
https://fullswing.dena.com/archives/1877
オウンドメディアにて恐縮です…