【新常識】仏三ツ星レストランに選ばれる「日本酒」の正体

2019/1/15

スターシェフが選んだ日本酒

パリのシャンゼリゼ大通り。「世界で最も美しい通り」と言われているこの道沿いに、「パヴィヨン・ルドワイヤン」はある。
フランス革命直後の1792 年に建てられた庭付きの豪奢(ごうしゃ)な宮殿で、フランス最古のレストランとしても知られる。「ナポレオンと妻・ジョセフィーヌが通った場所」といえば、その歴史を感じることができるだろうか。
パリ市が所有するこの歴史的建造物の2階に入っている三ツ星レストラン「ALLÉNO PARIS(アレノ・パリ)」を経営するヤニック・アレノ。彼はフランス国内で三ツ星レストランを2軒持つ唯一の存在で、道を歩けばサインを求められるスターシェフだ。
この店では、ヤニックの肝いりで日本国内ではほとんど手に入らない珍しい日本酒が提供されている。
その酒は、日本の5酒蔵(國稀酒造【北海道】、金紋秋田酒造【秋田】、豊島屋【長野】、若竹屋酒造場【福岡】、基山商店【佐賀】)が新たに開発し、2018年10月にリリースした6銘柄。
プロデュースした日本酒など(提供:ジャパン・エクスキーズ)
「酸味と甘みを際立たせた風味」「スパイシーさを強調した風味」など、テイストも見た目も個性的なラインナップがそろっている。
ほかにパリの三ツ星、ジョエル・ロブションやアラン・デュカスでも扱いが始まっているこの日本酒をプロデュースしたのは、安部・ロブション・龍依(以下、ルイ)。
ミシュランで史上最多となる31の星を獲得したフレンチの世界的巨匠、ジョエル・ロブションを父に、日本人女性を母に持つ博多生まれの30歳である。その歩みは、ワイン畑から始まった。

日本未発売のワインを発掘せよ