【山田悠史】ポスト平成に起こる医療界7つの変革

2019/1/10
私は大好きな「総合診療」をアジア諸国に広げるため、定期的にカンボジアのプノンペンに赴き、若手医師の教育をしています。
カンボジアでは1970年代に起きた大虐殺を契機に、優秀な専門家医師がいなくなって指導者が欠落しています。また人材不足だけでなく、日本ほど医療設備が十分に整備されているわけではありません。
一方で、ワクチンと抗生物質の普及により、死因の多くを占めていた感染症を克服できるようになり、国民の寿命は大幅に延びつつあります。
医師や医療資源の不足と寿命の改善は、さまざまな病気を1人で診療できる、限られたリソースを活用して病気を見極められる「総合診療医」へのニーズを高めました。そのニーズに応えたい気持ちから、私は活動を続けています。
カンボジアでは一定の割合で蚊がデング熱の原因ウイルスを伝播(でんぱ)しています。デング熱のリスクを避けるため、蚊に刺されてはいけないと、私は暑いプノンペンで長袖を着続けていました。しかし、滞在最終日に油断をして蚊に刺されてしまいました。
デング熱が猛威を振るうカンボジア(写真:ロイター/アフロ)