【ラグビーW杯】一生に一度の幕開け。日本代表ベスト8への道

2019/1/2
いよいよラグビーワールドカップ(RWC)イヤーが明けた。アジアで初開催となる同大会が9月20日~11月2日の日程で、全国各地で開かれる。
「地の利」があるラグビー日本代表には、初めてのベスト8進出の期待がかかる。課題は多々ある、されどノーチャンスではない。

ジョセフ流戦術とは

4年前のRWCイングランド大会では、日本代表は優勝候補の南アフリカに番狂わせを演じて世界のラグビーファンを驚かせた。勝ち点の関係で決勝トーナメント(ベスト8)へは進めなかったが、3勝1敗の好成績を残した。
当時のエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)=現イングランド代表HC=のチーム作りを振り返ると、要因をひとことで言えば、「正しい準備とハードワーク(猛練習)」である。
【エディー・ジョーンズ】「勝てる組織」のつくり方
では、ジョーンズHCのあとを受けたジェイミー・ジョセフHCのチーム作りはどうなのか。
ラグビーのベースとなるフィジカルのアップ、セットプレー(スクラム、ラインアウト)の強化は同じなれど、戦術が少し、違う。細かいパス回しとスピード豊かなつなぎを目指したジョーンズ前HCと違い、ジョセフHCとアタックコーチのトニー・ブラウン氏は主として「キックも有効に使い、アンストラクチャー(崩れた局面)な状況をつくりアタックをしかける」戦術を標榜(ひょうぼう)してきた。
だが日本はキックより、ボールを素早くつなぐスタイルのほうが合っているのではないだろうか。
いずれにしろ、日本の持つ俊敏性を生かし、“これで勝負する”という戦い方の徹底はマストである。
ディフェンスは確実にレベルアップしている。全員が鋭く前に出る。ディフェンスコーチのジョン・プラムツリー氏の指導のもと、高速のディフェンスシステムは機能しつつある。それぞれが自分の役割を理解し、互いの連係を意識しながら、プレッシャーを相手にかけ続けている。
肝心のスクラムは、スクラムコーチの長谷川慎氏のキメ細かい指導のもと、8人結束の安定スクラムが形作られつつある。