【大前研一】夕張市と深センから考える、日本の地方都市の未来

2018/12/28
日本を代表する経営コンサルタントである大前研一氏。大前氏は
「平成が幕を閉じようとしているが、大前研一ぐらい平成をむなしく過ごした日本人はいないのではなかろうか」
と語る。その真意とはー。本稿では『大前研一 日本の論点2019~20』より「地方創生」「道州制」など、大前氏が考える日本の課題と解決策を示す(全2回)

「地方創生」は本当に成り立つのか

2018年9月に行われた自民党総裁選挙は現職の安倍晋三首相と石破茂氏の一騎打ちとなり、大方の予想通り、安倍首相が3選を決めた。これで最長21年9月まで安倍政権は続く。
任期をまっとうすれば、大叔父の佐藤栄作も、同郷の大先輩である桂太郎も抜いて戦前戦後を通じて史上最長の政権になる。
総裁選の結果に語るべきことはもはや何もない。
長期政権の腐敗臭をどれだけまき散らしても揺るがない、対抗馬すらまともに出てこない安倍政権の強さは、日本の政治の劣化と裏表である。
安倍政治のアディショナルタイムによって、日本の真の改革が手遅れにならないことを祈るばかりだ。
それはさておき、今回の総裁選で掲げられた公約や争点は双方ともポイントを外していたが、そこには「日本の論点」のヒントが見え隠れしていた。