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「明治」から「平成の次」まで100年以上続く「実験」があった

ブルーバックス | 講談社
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  • セメントメーカー 研究員

    だいたいIshidaさんがリンクを貼っている記事で書いたので、特に言うことはないんですが、廣井先生は港湾工学の神様です。
    コンクリート工学の神様は吉田徳次郎先生という方ですが、この方は廣井先生の娘婿にあたります。どこの神話だ。
    ちなみに廣井先生のお葬式で弔辞を読んだのは札幌農学校第2期生で同窓だった内村鑑三です。

    日本の無筋コンクリートの歴史は横浜港築港でコンクリートブロックが採用されたことに始まりますが、記事中にも述べられているようにこのコンクリートはひび割れや崩壊が起きており、問題となっておりました。
    廣井先生は小樽港築港にあたり、このコンクリートの異常を防ぐべく様々な取り組みをされていました。
    その一つが火山灰を材料に使用することでした。
    これは2000年前のローマンコンクリートに通じるもので、またその後コンクリート用材料として普及する「フライアッシュ」という材料と似た役割を果たすものであり、廣井先生の先見の明には脱帽しっぱなしです。
    この辺りは、小林一輔先生の「コンクリートの文明誌」に詳しく書かれています。

    小樽港築港の際にセメントを提供していたのは北海道セメント(現:太平洋セメント)の上磯工場ですが、この工場は今でも稼働している国内最古の現役セメント工場です。
    当時のセメント工場は今よりも粉砕・分級能力に劣っていたため、現代のセメントよりも粗く、粒子の大きいセメントでした。
    しかしながら、この大きな粒子が徐々に反応していくことによって長期的な強度や耐久性を発現していることも100年ほど後の顕微鏡観察でわかったことでした。

    コンクリート工学というのは、コンクリートの寿命から考えれば相当に新しく、未だ未熟な学問です。
    またまだ我々コンクリート技術者が100年前の工事から学ぶことも多く、また、100年先のことを考えるのが我々の使命でもあります。
    意外と言うことあったわ。


  • Chemical Manufacturer Chief Researcher

    安田さんのコメントにもある通り、将来必要になるであろう技術を100年も前に着想された廣井先生の先見の明、尊敬します。
    屋外での耐久性については、実際の環境に晒してみないと分からないことがかなり多いので、この実験は貴重な情報をもたらしてくれるものと期待します。

    コンクリートに限らず屋外に晒される材料は耐久性がどの程度あるかを評価する必要があります。
    屋外での劣化は太陽光と雨による影響が大きいのですが、これをより強い条件で再現できる促進耐候性試験機というものがあります。多くの材料はこれで加速劣化させて、時短で耐久性を評価しています。(時短と言ってもあまり強烈な条件にしすぎると実際の曝露と相関しなくなってしまいますのでそこは限度がありますが)
    ものによっては数年の促進試験で10〜20年先の劣化具合を予測できることもあり、材料分野で重宝されている試験法(機器)です。
    http://www.sugatest.co.jp/contents/fields/content01.html

    この試験機をいち早く日本で完成させたのは、須賀長市氏(1914年〜2007年)で、劣化現象の理解が材料科学を進展させると読み、現・スガ試験機を設立し、促進耐候性試験技術の普及に尽力されました。
    劣化との戦いについて、このような研究もあるのだと知って頂けると嬉しいです。


  • 大学 助教・材料/物性物理

    金属材料の耐久試験と言えばNIMSさんのクリープ試験や疲労試験。1966年以来のクリープ・疲労データを取り続けており、材料データベースを開発し利活用するため、現在もデータの取得を行っているようです。手元に資料がないので具体的に覚えていませんが、種々の金属材料に対するS-N曲線や寿命分布をワイブル確率紙上にプロットされた図面を載せてあり、定期的に更新されるデータベースを作り続けています。

    一般的な環境暴露試験とは異なり、一定あるいは繰り返し荷重をサンプルに与え続ける必要があるため、その電力源の確保や余分な振動が加わらないようにすることに命をかけています。特に、地震などの災害はホントに一大事のようですね。その担当する部局長が代替わりで責任者となっているため、この50数年続くクリープ・疲労試験を途絶えてはいけないと任期中はひやひやした任期を過ごすとのことでした。コンクリートの耐久試験が既に100年を越えていると思うと、廣井先生や吉田先生の凄さが尚更際立ちます。

    様々な材料の長期間に渡るこのような材料データベース、特に構造材料の環境・クリープ・疲労試験のデータは、過去現在未来を繋ぐ重要な情報源となるので、記事中の締めコメントにあるように次世代の安全安心を創るための有用な実験を引き継いでいく必要があります。本当に地味だし大変だと思いますが、そのような姿に研究者のプライドと魂を感じます。


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