Teslaの中国工場と失われた成長機会
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この記事についてイーロンはこう言っています。水道哲学ですねぇ。
「(イノベーションのジレンマを説いた)クリステンセン教授は間違っている。新しいテクノロジーは常に高価なものだ。破壊的なイノベーションはハイエンド市場から起こる。コンピュータも携帯電話もそうだった。マス市場への低価格での浸透に至るまでは何度も何度も修正や変更を重ね、圧倒的な規模の経済が必要になってくる」(イーロン・マスク)
Clayton is wrong. New tech is always expensive. Tech disruption occurs at *high end*, eg computers & cell phones. It takes many design iterations & vast economies of scale to achieve mass market affordability.
彼が13年前に作ったテスラの秘密のマスタープランがまさにこの信念で作られています。イノベーションのジレンマ信奉者はこういうパワープレイのような大量生産モデルを古くさいと言う人もいますが、イーロンが言うと大変に説得力があります。
実際には数億円やかなりの数千万円するようなクルマの支持者からは「あんなのはオモチャだ」と見えたのが「高価なテスラ(ロードスターやモデルS)」であり、クリステンセン教授の言っていることと同じです。そうした超ハイエンドのスポーツカー市場のイノベーターやプレミアムカーの常識からしたら「安価なテスラ」(テスラにとってはハイエンド)がまず破壊者として現れ、それが超ハイエンド市場ではなくローエンドのポルシェやアウディや・・という低価格市場を食い、スーパーラグジュアリーカーが「そんな市場が食われてもただのオモチャだ」と思っているとやがて、さらに大衆向けのローレンジに破壊的に広がるとともに(モデル3)、逆の超ハイエンドをも凌駕する(テスラで言えばニューロードスター)というステップです。100km到達が1.9秒という意味不明な新ニューロードスターが$200,000ドルなんていうのは明らかにローエンド市場で起こる破壊的なイノベーションです。結局市場をどう捉えるかだけの話で両方ありうる。
高級車市場から見れば馬場さんが書いた通り、テスラがローエンドからのディスラプトだし、マス市場からするとハイエンドからの参入。
PCもメインフレームと比べたら同じだしスマホもPCと比べたらそう。
一方でスマホにおける小米やVIVOとかOPPO、ファーウェイはマス市場のローエンド出身組。
結局、両方の可能性があり、EVで言えばテスラ的な道を走っているのがNIOなどで、ローエンド出発はBYDなど。
その話よりも、ビジネスモデル上の競争の方がインパクトが大きい。
EVを複数の会社が作れる以上、自動運転とMaaSも絡んできて、より寡占化するMaaSプレイヤーが中国の自転車産業のように一気にシェアリング化を進めてしまってメーカー全体が儲からないというのもありうる。
DiDiやUberの今後の動きに要注意。
後はクリステンセンさんの理論で言う本当のディスラプトが、場合によっては今車の形をしていないもの(例えば電動車椅子)から起こる可能性もある。
それらがラストワンマイルビークルの覇権を握り、そのままバスや電車に接続可能になり、乗用車がいらなくなる可能性もあるでしょう。
いずれにせよ今後目が離せない市場。重視するのが買えるものかどうか。っていうことはそれはそうだろうなあとしみじみ思いましたね。
買えなかったために今まで存在しなかったところに買えるものを提供することでマーケットを作り出す。
>非消費者が重視するパフォーマンスの基準はスピードやスタイル、快適さではなく、買えるものであるかどうか、アクセシビリティ、そしてシンプルさだ。