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冒頭のグラフは、必ずしも「創薬」自体の難しさを語ってくれるものではなく、創薬はできても承認を受けるのが難しいという要素も含まれているかと思います。そして、その承認は厳格であるべきです。試験管やマウスの体内で効いているということと、人間の体で効くというのはまた大きく異なり、その有効性と安全性がエビデンスに裏打ちされなければ、薬として市販されるべきではありません。

よい薬が開発されることはもちろん素晴らしいことですが、必ずしも必要とは思えない薬剤開発が進められているケースも散見します。そこには、新薬に飛びつく医師や患者の心理を利用した利得勘定が見え隠れします。

医師も患者も新しい薬だからよい薬に違いないと次々と新しい方へ飛びついてしまいがちなのですが、我々は常に一歩踏みとどまる冷静な視点を持つべきです。

新しい薬には、長期間それを投与した時の副作用がわかっていないという危険性があります。もう何十年も前の薬であれば、何十年分の安全性データが回収されているわけですが、新薬の場合には、例えば数年後に実は発がん性があることがわかる、なんていうことが十分にありえます。調査を続けていたら、実はこの薬を飲んでいる人に◯◯癌の発生が多かった、などということが後から報告される可能性があるわけです。

また同等の古い薬がある場合、それに比べて高価でコストがかかります。1人分、1日分で見ればもしかしたら大した額ではないかもしれませんが、それが何万人、何年という単位で使われれば、それだけ差額も大きくなり、医療経済を圧迫します。

このように長期の安全性、医療経済なども頭に入れながら、どの薬剤が本当によいのか、医師にも患者にも「賢明な選択」が求められていると言えます。そのような懸命さが、本当に必要な薬だけが開発される将来を導いてくれるのではないかと思います。
”新薬開発のコスト増”は製薬企業共通の課題になっており、莫大なコストと長い時間がかかっています。
新薬開発にかかるコストは主に、化合物の開発に投じられています。このような状況に対して、創薬エコシステムの構築が求められており、クラウドの活用が進んでいます。
例えばノバルティスさんは、1,000万の化合物群に対し、1週間以内でのバーチャルスクリーニングを検討した際に、オンプレの仕組みだと CPU50,000コア、40億円強の投資が必要と試算されましたが、クラウドを活用することで、CPU87,000コアを起ち上げ、39年に及ぶ科学計算を9時間で完了、コストは約40万で抑えたという事例があります。
しかも、3つのヒット化合物(治療薬候補)を発見することに成功しています。
医薬品の創出について、一般の人にもわかりやすく纏められています。この記事で、少しでも多くの人に創薬について知ってもらえると嬉しく思います。

WHOによると、病気の数は2万種類以上と言われています。
そんな中、このデータでも記されているとおり、2018年に承認された医薬品の数は世界で56品目に過ぎません。それでも、ここ15年で見ても最高レベルです。

バイオベンチャーでは、多額の資金が必要となる臨床開発においては、大手製薬会社と提携して開発を進めていくことが一般的なのですが、提携に関するプレスリリースを出した際に、対象疾患と戦う患者様から直接会社にメールをいただくことがあります。そこには、1日でも早く薬を出してください、という切実な想いが綴られています。

上記のデータからもわかるように、薬として承認される確率はごく僅かです。しかし、こういったメールをいただくたびに、出口に光が見える限り研究を諦めたくない、と強く思うんですよね。粘り強くなければできない業界かもしれません。
例えばアトピーの治療薬の2大巨頭、ステロイドとタクロリムス(プロトピック)。
タクロリムスはもともと免疫抑制剤ですが分子量が大きく皮膚からの吸収は困難でした。外用として皮膚から吸収されるように基材(クスリを含有するためのワセリンみたいなもの)が新たに開発されて、臨床で使われるようになったのですが、現在ではその吸収されにくさが、正常皮膚ではあまり吸収されず、皮膚に炎症を生じている部分にだけ吸収されて効くというちょうど良い条件になっていたりします。
クスリがどのように効くのか考えると結構面白かったりしますが、専門の薬剤ですら教科書を見ないとわかりません。薬剤師さんはわかるのかな?「細胞膜の○○に結合して細胞内の〜〜」とさまざまな薬剤で知ってそうな人はあまり見たこともないですが。

ちなみに年間50種類と言っても、同じ効果で同じクラスのクスリでも複数の化合物や薬があったりしますし、本当の意味では新規薬剤はそれほど多くありません。また、そのそれらの評価が固まるのには時間がかかりますし、その間にあまり使われなくなるものもあります。創薬ってほんとに大変なことだと思います。

ただ新薬に飛びつく感じに未だに違和感があります。まぁ、マーケティング的にも、MRはそういった薬剤を広告・販売に来るので、影響を受けて出してしまうのもわからなくもないなですが。例えば、SGLT2阻害薬という糖尿病薬、、、副作用も知らない先生が出してて驚くことも。。。
この手の話なら、佐藤健太郎さんの著書をどうぞ!とコメントしようと思ったら、そもそもこの記事がガッツリ参考にされている、とのことだったので、書くことは何もない。笑

『本稿の執筆にあたり、「創薬科学入門(改訂2版) -薬はどのようにつくられる?-」佐藤健太郎著(オーム社, 2018年)を参考にしている。』

ただ、コメント欄で各所の方々が補足してくださっていて、newspicks で書評(今回は書評とは違うが)がpickされるとこういう感じになるのは、いいなあ、と思いましたpick。
医学生が半年ほどかけて学ぶ内容のエッセンスが、コンパクトに2ページにまとめられている感じですね。
良記事とおもいますが、まだ若い技術とはいえSBDD以外の計算機科学のアプローチや核酸・ペプチド等の中分子創薬についても触れて頂きたかった。