欧州の量的緩和に終止符へ=ECB、13日に理事会
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これが吉と出るか凶と出るかはすぐに結論を出せる話ではありませんね。ただ、ユーロ圏は金融政策を一括りにする一方で財政政策を各国バラバラにしている構造上の大きな問題を抱えながら走り続けていることに変わりありませんから、外部環境などから良好に見える局面があっても、結局のところこの構造にメスが入らなければ、あまり長期的な期待は持ちづらいというのが正直なところです。
今日の政策理事会については、量的緩和の終了は既定路線として、いくつか注目点があります。
まずは経済と物価の見通しです。まず、物価については総合インフレ率が既に2%近辺にある一方、コアについては賃金からの上昇圧力とエネルギー価格下落の二次的効果が打ち消しあって、あまり変化がない見込みです。
その一方で、景気についてはご覧の通り減速している訳ですが、これをこれまでのように一時的要因だけに帰することができるかが、注目されます。見通し自体を下げなくても、リスクバランスに変化があるかどうかも注目する必要があります。
もう一つは、来年初からの保有資産の再投資の方針です。こちらも、イタリアに対するモラルハザードへの懸念もあって、国別の出身比率に沿って行うという、量的緩和の方針を変えることは難しくなっています。
ただし、景気後退が予想より早く、従ってそれまでに十分な利上げができないリスクが高まっただけに、再投資における長期債の重点的な買い入れといった手段を活用する可能性に言及するかどうかが、注目されます。