(ブルームバーグ): 東京地検特捜部が金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで逮捕された日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者を、勾留期限を迎える10日にも起訴する方針であることが分かった。関係者が7日、明らかにした。 

ゴーン容疑者は11月19日、2010年度から14年度までの5年間、実際には約99億9800万円だった役員報酬を49億8700万円と過少に記載した有価証券報告書を提出したとして逮捕されていた。同関係者によると、ゴーン容疑者は15年度から17年度までの直近3年間についても過少記載をした疑いで再逮捕される見通しだという。

 

ゴーン容疑者と元代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者、さらに法人としての日産を起訴する方針については日経新聞が7日、先に報じていた。

東京地検の検察広報官の須田しのぶ氏は「個別の事件についてのコメントは差し控える」と述べた。日産の広報担当・ニコラス・マックスフィールド氏は「捜査には全面的に協力している」とコメントした。 

ブルームバーグの取材によると、ゴーン容疑者は報酬の一部を将来受け取ることができるように別に積み立てており、有価証券報告書に記載しなかった金額分は過去8年間にわたって一貫して増加傾向にあったことが分かっている。

記載しなかった金額の合計は90億円に迫る。09年度から役員報酬が1億円を超えた場合には、氏名や具体的な金額の開示を定められたことを契機に、高額報酬への批判を避けるために、実際よりも少ない金額を記載したとみられている。

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