哲人・ハラリが見通す「ディストピア的未来」
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ハラリがシリコンバレーで人気があるのは、自分は一般の人たちとは違い特別だ。「私たちはあなたを必要としていない。でも、私たちはいい人だから、あなたの面倒をみてあげよう」心の底で本気でこう思っている思いを代弁しているから。飛んだ特権階級思想。ベーシックインカムもヒトの尊厳を馬鹿にした特権階級思想。少し他の人に先駆けて時代に適応できただけで、自分たちは特別だと思うのは危険な思想
ハラリが語っている「役立たず階級」というのは物質的なモノを作り出すという生産性の面で必要がないAIに代替えされてしまう人たちのこと。これからは今までのモノを作る生産性以外の仕事が増えてきて、多くの人はそこに従事するようになる。逆にいうと今までのAIで代替できてしまうモノ作りに固執してしまうとハラリのいう「役立たず階級」に転落してしまう。社会の考え方を含めた大転換は必須。AIに代替できないことにこそ価値がある
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ハラリの言う「役立たず階級」は、とりわけ弱い。「1世紀前なら、搾取に対して革命で挑み、事態がさらに悪化しても、彼らが私たち全員に銃を向けることはできないとわかっていた。彼らには私たちが必要だったからだ」と、ハラリは軍隊と工場労働者を引き合いに出した。
しかし、こんにちでは、支配階級が新しい「役立たず階級」を殺さずにおく理由はわかりにくい。「あなたがたは完全に消耗品だ」と、彼は聴衆に言った。
だからシリコンバレーはユニバーサル・ベーシック・インカムの概念をもてはやすのだと、ハラリはのちに私に言った。就労中かどうかに関係なく、一定の生活水準を保証する給付制度には次のようなメッセージが込められていると、彼は言う。
「私たちはあなたを必要としていない。でも、私たちはいい人だから、あなたの面倒をみてあげよう」ユヴァル・ノア・ハラリの『ホモ・デウス』は年始にじっくりと読みました。「自由意思は幻想であり、人権は私たちが自分に言い聞かせている架空の物語にすぎない」という主張は、資本主義にどっぷり浸かっている私たちの常識を根底から覆すもので、ガツンとやられました。
テクノロジー至上主義という宗教の聖地ともいえる現代のシリコンバレーにおいてこれほどハラリが歓待されるのはなぜか。イーロン・マスクも人工知能に警鐘を鳴らしていると読んだことがありますが、シリコンバレーの巨人たちも、どこかで自分たちの保有する強大なデータの力に対して、自らの倫理意識や美意識に不安を抱き始めたということでしょうね。
あらためて『ホモ・デウス』の最後で問われた以下の3つの問いに対して、どういう考え方が提示され、世界がシェイプされていくのか興味深いです
・生き物は本当にアルゴリズムなのか?
・知能と意識はどちらが大事か?
・アルゴリズムが支配する世界で社会や政治や日常生活はどうなるのか?ハラリは1日2時間、毎年2カ月を瞑想に費やしているという。時間に追われることなく、自らの時間を瞑想にあてる。そこから発信されるメッセージが、テクノロジージャイアンツの経営層に深く感銘を与えているのでしょうね。
あまりのスピードの速さに、みんなうんざりしている。人間は動物のひとつに過ぎないのだから。いま世界が求めているのは、不確実性社会の道しるべ。それを見つけようとしているが、テクノロジーやデータからは見えてこない。
必要なのは哲学すること。だからいま哲学回帰がIT業界からはじまっている。