哲人・ハラリが見通す「ディストピア的未来」

2019/1/8
人類とテクノロジーの行く手に暗雲
未来を語る哲人ユヴァル・ノア・ハラリは、多くのことを懸念している。
シリコンバレーは民主主義を弱体化させ、選挙が意味を持たなくなるディストピアの奈落に突き落とそうとしているのではないか。
大手IT企業は何十億という人間の心をコントロールする強力なマシンをつくり出し、自由意思を持つ独立した個人という概念を破壊しているのではないか。
テクノロジーの革命によって人間の労働力はほとんど必要なくなり、シリコンバレーはごく少数の支配階級と大量の怒れる「役立たず階級」を生み出すのではないか──。
さらに、最近のハラリは、はるかに個人的な不安を感じている。悲惨な警告を語る自分が、なぜシリコンバレーのCEOたちに気に入られているのだろうか、と。
「考えられるとしたら、私のメッセージが彼らにとって脅威ではなく、歓迎されているのかもしれない」。10月のある日の午後、ハラリは困惑しながらそう言った。「私にとって、そのほうが悩ましい。私に何かが欠けているのだろうか」