[香港 5日 ロイター] - 関係筋2人がロイターに明らかにしたところによると、ソフトバンクグループ<9984.T>のビジョン・ファンドは中国を拠点とする投資チームの採用を行う。

関係筋によると、ビジョン・ファンドは来年、初の中国事務所を上海に開設する計画で、その後北京と香港でも開設を計画している。合わせて20人前後の採用を見込んでいるという。

また、ビジョン・ファンドは今年、香港でプライベートエクイティ(PE)投資会社シルバーレイクのマネジングディレクターを務めた後に起業したエリック・チェン氏を、中国チームの責任者として採用したという。

ビジネス向け交流サイト(SNS)「リンクトイン」上のチェン氏の経歴や関係筋の情報によると、同氏は3月、ビジョン・ファンドを運営するソフトバンク・インベストメント・アドバイザーズのパートナーとなり、米サンフランシスコに拠点を置いている。チェン氏のコメントは現時点で得られていない。

ソフトバンクの広報担当者はコメントを控えた。

昨年5月に930億ドル超の資金を集めて立ち上げられたビジョン・ファンドは今年に入って既に、インドとサウジアラビアに事務所を開設。インドでは次世代技術に50億ドルを投資しており、サウジは政府系の公共投資ファンド(PIF)がビジョンファンドの最大の拠出者となっている。

ソフトバンクは中国でも存在感を発揮してきた。孫正義社長は中国・アリババ集団<BABA.N>に2000年という早い段階から出資しており、2013年以降は、配車サービス大手の滴滴出行(DiDi)などの中国企業に130億ドル以上を投資している。

一方、ビジョンファンドは中国で、トラック配車アプリ大手の満幇集団、医療プラットフォームを手掛ける平安健康医療科技<1833.HK>、ニュースアプリ「今日頭条」(トゥデイズ・ヘッドライン)やショート動画アプリ「TikTok」を運営する北京字節跳動科技(バイトダンス)に出資していることがデータで明らかになっている。

ビジョンファンドはまた7月に、共用オフィスを提供する米WeWork(ウィーワーク)の中国法人に出資している。

*内容を追加しました。