スウェーデン、5年以内に完全キャッシュレス社会へ=中銀副総裁
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スウェーデンでは、民間の現実活動がキャッシュレスの方向に大きく進んでしまった。その結果を踏まえての発言なので、中銀としては、ある意味では当然の対応と予測ということになるのだろう。中銀が無理に押し進めようとしているわけではない。日本は状況が違うといえば違う。ただ、キャッシュレスの方が便利だったから民間がそちら側に大きく進んだという事実は、やはり重要なエビデンス。
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日本でキャッシュレスが進まない一つの理由に忖度文化が挙げられる。クレジットカードを使うと手数料分、相手に損をさせてしまうからだ。確かに小売店や飲食店など現金を喜ぶ方が多数派だろう。
しかし、その忖度がクレジットカードの利用率を妨げてしまい、結果として手数料の高止まりを招いていることまでは忖度できていない。
実は現金主義は国家の生産性も下げている。貨幣の製造や運搬、管理にかかるコストは大きい。金融機関ではATMのために年間2兆円を要しているという。
また完全キャッシュレス化が実現できれば物価のコントロールもしやすい。タンス預金ができないところに市場に出回るすべての法定通貨に金利を与えられる。
ゲゼルの提唱する減価する貨幣の誕生だ。デフレ退治には著効する。なぜならほとんどの人はマイナス金利で所持する貨幣価値が下がるならモノに変えようとするからだ。
デフレで長期間、苦しんできた日本政府は本気でこの貨幣システムの導入を検討している。
なのでスウェーデンのキャッシュレス化に強い関心を持っている。
記事にはないがスウェーデンではeクローネという暗号通貨を導入してキャッシュレス化を加速させようとしている。ビットコインと同様のブロックチェーン技術を利用するので流通コストは低い。手数料率は1%以下だろう。ここまで安くなれば現金主義者のくだらない忖度は無用になる。現金の管理手間の方が遥かにコストがかかるから誰もその忖度をありがたくがらなくなる。紙幣や硬貨について「使用量は既にほぼ無視できる水準」というのがすごい。
一方で、経済活動の電力やネットワーク回線への依存はより強まりそうだ。
スウェーデンは現状では原発による発電比率が1/3強と大きいが、今後は再生可能エネルギーへと大胆に変革していく方針の模様。単なるキャッシュレスという個別テーマではなく、社会設計として他国の動きを見ていくと興味深い。
(参考)【特集】原発大国スウェーデンの挑戦 2040年までに再生可能エネルギー100%へ(2018/5/17)
https://this.kiji.is/369389631831147617