[ワシントン 4日 ロイター] - 独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)<VOWG_p.DE>のヘルベルト・ディース最高経営責任者(CEO)は4日、VWはフォード・モーター<F.N>との提携関係の構築を模索しているとし、フォードの米国内の工場を利用して自社の自動車を製造する可能性があることを明らかにした。

VWを含む独自動車メーカーの首脳はこの日、米ホワイトハウスでトランプ政権の高官との会合に出席。会合後、ディースCEOは「フォードと世界的なアライアンスの構築に向けて協議を進めており、交渉は進んだ段階にある。こうしたアライアンスは米国の自動車産業の強化にもつながる」とし、「第2の工場を建設することも検討している」と述べた。

フォードのビル・フォード・ジュニア執行会長は、デトロイト近郊で4日に行われたイベントで記者団に対し、VWとのアライアンスに関する協議は「非常に好調」に進んでいると語った。

VWがフォードの工場を利用する可能性があるとのディースCEOのコメントに関する質問には「まだそこまで詳細な協議に至っていない」と指摘。多くのことが明確になるまでVWとのアライアンスについてはあまり語りたくないと述べた。

RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、ジョセフ・スパック氏はリサーチノートで、ディースCEOのコメントはVWがフォードの使用していない生産能力の一部を利用する可能性を高めたと指摘した。

また欧州やアジアの自動車メーカーは米ゼネラル・モーターズ(GM)<GM.N>の工場の一部取得を模索する可能性があるとの見方を示した。

GMは先週、北米の5工場を閉鎖する計画を明らかにしている。

VWは現在、テネシー州チャタヌーガに組立工場を保有。ディースCEOは新たな工場について「テネシー州で交渉が進んだ段階にある」と指摘。ただ他の選択肢の可能性もあるとも述べた。

フォードとの提携については、アライアンスの一環として株式の持ち合いはないと表明。「プラットフォームの共有を通して、フォードの欧州での足場を強化するアライアンスを構築する」とし、「米国内のフォードの工場を利用してVWの自動車を製造する可能性もある」と述べた。

VWはフォードとのアライアンスについて1月に協議を進めたいとしている。

*内容を追加しました。