仏政府、燃料税引き上げ延期を発表へ 抗議デモ広がりを受け
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フランスは元々はディーゼル車を優遇して軽油をガソリンより安く税を制定していましたが、ガソリン税と同じにしようという動きがあり、2015年のVWのディーゼル車不正を契機に、適宜優遇を廃止することが決まっていました。
ただ、燃料の値上げは鬼門ですね。
2011年末、南米のボリビアとパキスタンにおいて、政府がエネルギー補助金の廃止・縮小の方針を発表したところ、激しい抗議デモやストライキが発生し、その方針は即撤回されました。
さらに、2012年1月、ナイジェリア政府がエネルギー補助金を打ち切ったことで激しい抗議デモが発生し、多数の死者を出す事態にまでなっています。
昨年もメキシコが規制緩和でガソリン価格が高騰し、暴動が起きています。
しかし、フランスの様な国のしかも目ぬき通りで車が多数燃やされるという事態は、かつてなかったことで、現在のフランス国民の不満がかなり高まっている事を示しています。
カーシェア用の日本のEVも随分被害にあったようですね。
それに引き換え日本は大人しいものですが。それだけまだマシという面もあります。
French government to suspend fuel tax rise after riots
https://www.ft.com/content/b7ee911c-f79c-11e8-8b7c-6fa24bd5409c
パリ協定の街なのに環境税で暴動とは皮肉です。今まで、あまり本件について真面目にコメントしませんでした。難しい課題ですし、もう住んでいないのであまりよく理解していませんが、ちょっとフランス人からの意見を語ります。
暴力でなんとかしようとしているフランス人のDNA的なもの(というより考え)があるのは確かですが、決して言論しないわけではありません。逆にフランス人は言論・議論が大好きです。フォーラムみたいで言論するのは当たり前のようにいろんなコミュニティにあります。(日本までニュースにはもちろんなりません)
しかし、今回はもう言論を超えた状況です。マクロン大統領だけではなく、何十年間政治家がもう、フランス人(特にパリ以外)の声を聞かない状況になっていて、今は「不満がたまってる相手に決定的な一言を言って怒りが爆発してしまった」というのは状況です。
暴力で解決しようとするのは良い手段かどうかという話を置いといて、そらぐらいやらないともう、打つ手がないと。
デモの時、警察が「我々はあなたたちを支援するよ。痛みが分かるよ。あなたたちと一緒だよ」という意味を含んでデモ者の前で防護帽をとりました。
お金に困っていない我が家のような家庭にとって、このデモは面倒でしかないのですが、今朝フランスのラジオを聞いて、一般人のご意見を聞いていて、やはり困る人には限界があると実感しました。インタビューされた人はレストランのオーナーで、仕方なく車を使っていて、「今はもう、奥さんとデートはできない。子供を映画館に連れて行ってもできない」と、我々先進国に住んでいる人にとって超当たり前の遊びもできません。学校の道具すら買えにくいですと。
もちろん、その方は家計簿が下手かもしれませんが、それを言ったらなんでも片付けられますからね。
とはいえ、凱旋門を破壊するほどは許せませんね。戦いが間違っているし、結局我々の税金で払わなきゃいけません。
結局、まだ混乱している中で延期になってしまいますが、根本的な理由は何も解決されない気がします。
今回の騒ぎの勝者はルペン氏ですね。
【追加】
僕の意見は結局なに?って話ですけど、はっきりありません。両方に問題があると思います。・・・とはいえ、雇用規制や社会保障などの面においてマクロン政権が民衆から嫌われているのは明らかであり、デモのきっかけは燃料税であったとしてもその他にも解決しなければならない論点が少なくないことは留意すべきでしょう。
何より、リベラルに任せてみたら結局こうなってしまった・・・とフランス国民が思っているとしたら、怖いのは2022年の大統領選挙です。既にルペンが解散総選挙を求めているとの報道も出ています。