[ラレド(米テキサス州) 3日 ロイター] - 米ダラス地区連銀のカプラン総裁は3日、成長見通しに対する懸念を表明し、連邦準備理事会(FRB)は今後の利上げに慎重になるべきとの考えを示した。

同総裁は、世界的な景気減速で米企業は利益率が圧迫されており、事業支出を手控える見通しだと述べた。また、過去2年間の米利上げは住宅市場を圧迫し始めているとも指摘した。

ロイターのインタビューで「2019年半ばまでに経済は現在とかなり異なる状況になる可能性が非常に高いとの見解に同意している。このことからFRBは行動に慎重になるのが賢明だ」と述べた。

総裁はまた、財政刺激策によって今年の成長率は押し上げられているものの、19年と20年には効果が薄れると指摘した。

さらに、米中の貿易戦争は当面の激化を回避したが、多くの米企業はすでに関税の影響でコスト増大に直面しており、利益が圧迫されていると述べた。

総裁は、慎重になって状況を見極めたいとの意向を示し、「われわれのツールは緩和するよりも引き締める方が容易だ。連邦政府のレバレッジがかなり高水準なため、次の景気低迷や減速局面で財政政策余地が以前よりも限られる可能性があることに私は非常に敏感になっている」と語った。

今後の利上げについて、政策当局者らはここ数週間にまちまちのシグナルを送っている。パウエルFRB議長は1カ月前にはより積極的な戦略を支持する姿勢をうかがわせていたが、先週には利上げ終了時期が早まった可能性を示唆した。[nL4N1Y350N]

カプラン総裁は「われわれのメッセージが混乱を招くとは思わない」と述べた。「FRBは可能な限り透明であろうとしている。私は私の考えについてそうしているし、他の当局者もそうだろう。慎重になるというのがわれわれのメッセージで、一部の当局者はデータ次第と表現し、私は忍耐という言葉を使っている」と指摘した。

「混乱はない。不透明感が高まっているということだ。市場がそう受け取れば、それは良いメッセージになるだろう」と語った。

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