身近にあるビジネスチャンスの見つけ方

2018/12/11
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「AMERICAN EXPRESS PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)をスタートしました。 今週は「ベンチャー起業家WEEK」として、起業家が選ぶ経営者が読むべきニュースをお届けします。
11日は、ビジョナリーホールディングス 執行役員の川添 隆(かわぞえ・たかし)さんが出演。
これ頭いい!スーパーがやってる画期的なサービス 21選」(BuzzFeed)を切り口に、新たなビジネスチャンスを見つけていく考え方についてお話いただきました。

主流からの派生を狙う

サッシャ 今回取り上げた記事は、海外スーパーで行われている「かゆいところに手が届くユニークなサービス」の実例集です。最初に、この記事をピックした理由を教えてください。
川添 大きく2つの理由があります。ひとつは、この記事には、小売業としてアナログなサービスでできることの事例が詰まっていると感じたからです。
小売業は現在、店舗にテクノロジーを導入したり自動化したりと、デジタルな部分が重要になってきています。ですが、やはりまだまだ小売業としては、人のサービスでいろんなことができるだろうと思うんです。そういう意味で言うと、この記事はまさに人の手による工夫が詰まっています。
もうひとつの理由は、この記事はビジネスアイデアを考える上でヒントになると思ったからです。規模が大きいビジネスには派生するビジネスが出てくるだろうということですね。国内の食品スーパー市場は、2017年の『スーパーマーケット白書』によると約10.5兆円の市場規模があり、前年比でちょっとずつ増えているんです。
サッシャ なるほど、増えつつあるんですね。
川添 この規模ならば、派生ビジネスの可能性もおおいにあると思います。
例えば、巨大な販路を持っている米国Amazonのケースで言うと、彼らは規模が大きいので、返品された商品を再販するビジネスも成立するんですよ。
サッシャ つまり、Amazon返品アウトレットモールみたいなことですか?
川添 そうです。アメリカは基本的に、実店舗でもネットでも気に入らなければ返品できるというルールがあるので、日本に比べて返品率がとても高いんですね。でも、メーカー側としては顧客から個別に届いた返品物をいちいち再販するのは手間になるので、そのまま処分してしまうことが多いんです。そういった廃品を一気に集めてリセールを行う業者が出てきています。
サッシャ 確かに、新品でなくてもかまわないよという人にとって需要がありそうですね。
寺岡 記事内で紹介されているサービスのうち、川添さんが「これはいい!」と思った事例はありますか?
川添 まず、カートの横にルーペがついているサービスはいいですよね。成分表の文字などは小さくて読みづらいですし、老眼の人にとって非常に役立ちそうです。
それと、スーパーが閉まったあとでも肉を購入できる肉の自販機や、待ち合わせ用のバーがあるスーパー、スポーツの試合前にカクテルセットを販売するサービスなど、気が利いているサービスがたくさんありましたね。
サッシャ 僕が好きだったのは、トイレットペーパーを使い比べることができるトイレですね。トイレットペーパーって買うときに全ての製品を試したことはないし、どれを買うかは、なんとなくで決めてますよね。だけど、それを全部使い比べてみて、これがいい!と選んで買えるのはおもしろいと思いました。日本でもやってほしいです。
川添 確かに、トイレットペーパーって実際に使ってみないと善し悪しがわからない製品ですからね。

要素を抜きだしてビジネスに

サッシャ 起業家としては、この記事から何を学ぶべきなのでしょうか?
川添 先ほど、規模が大きい市場では派生ビジネスの可能性があり得るという話をしましたが、特にスーパーマーケットというのは、複合的な要素が集まったひとつの店舗といえます。その中で、ひとつひとつのコンテンツを切り売りすることもできるのではないかと感じました。
例えば、肉の自動販売機を単体でチャネル化して様々な場所で外販する、という展開が考えられます。
また、スポーツ観戦前のカクテルセットは、広告として機能させてもおもしろいと思います。そうすると、ユーザーに利便性がありながら企業として広告を出せるような仕組みになりますので、束ねていくことでひとつのビジネスになる可能性がありますよね。
サッシャ 例えば「セリーグカクテル」みたいにすると、そこに、セリーグというスポンサーをつけることができる。
川添 試合の情報だけ押さえておけば、広告を出せるタイミングがどこにあるかという情報を把握できるので、そういった広告の仕組みを中間ビジネスとして成立させられる可能性はあると思います。
この話と似たビジネス展開の実例として、WeWorkの件も参考になるでしょう。WeWorkは現在グローバルに展開しているシェアリングオフィスサービスなのですが、彼らはオフィスで培った不動産運用のノウハウを住宅に転用して、「WeLive」というサービスを立ち上げたりしています。
他にも、WeWorkのシェアリングオフィスには特徴として、Suicaで飲食物を購入できるショップがあります。そのショップ自体をチャネル化して束ねることでビジネスとして展開するなど、個別に見ると小さいものをひとつにまとめることで、しっかりした商売として成立させていけるというチャンスは様々なところにあるのではないでしょうか。
今回のニュースをはじめとした川添さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
12月12日は、アドバンテッジパートナーズの市川 雄介さんが出演予定です。こちらもお楽しみください。

【番組概要】
放送局: J-WAVE 81.3FM
番組タイトル: AMERICAN EXPRESS  PICK ONE
ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
提供:アメリカン・エキスプレス
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