【結論・入山章栄】なぜ今、経営学を学ぶ必要があるのか?

2018/12/9
社会人の学び直しを意味する「リカレント教育」が今、なぜこれほど注目されているのだろうか。また、ビジネスパーソンにとって、なぜ「学び直し」が必要で、どのような意味があるのだろうか──。
経営学の研究者としてアメリカに10年滞在し、2008年からニューヨーク州立大学のビジネススクールで教員を務め、その後、2013年から早稲田大学ビジネススクールで教員をする入山章栄准教授が、経営学的な視点でこれを解説する。

米国と国内のMBAは前提から違う

私は、日本でMBAも含めたリカレント教育の機運が高まっていることに対して肯定的で、「ようやくこの時代が来た」とすら思っています。
今回は経営学の視点から、「MBA1.0時代と2.0時代の背景」「MBA3.0時代に求められること」、そして「MBA3.0時代の今後の課題」を私なりに解説してみたいと思います。
入山章栄(いりやま・あきえ)
早稲田大学ビジネススクール准教授。1972年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所で主に自動車メーカー・国内外政府機関への調査・コンサルティング業務に従事した後、2008年に米ピッツバーグ大学経営大学院よりPh.D.を取得。同年より米ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクール助教授。2013年から現職。
まず、日米でのMBAの意義を比較すると、最大の違いは、労働市場です。