マクロン氏指示への日産の警戒心が逮捕の伏線と分析 ロイター
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フランス政府の意向に関係なく、そもそも日産の場合は、ルノーによる親子上場の状況にあり、議決権行使比率等を勘案すれば、ルノーは実質的に総会の過半数を握っていると言ってもいいので、単純に資本の論理を貫徹すれば、ルノーが取締役の過半数を派遣することも不可能ではない(総会議案を作るのは取締役会だが、株主提案は自由だ)。その取締役会でルノーは会長だろうが何だろうが決めることが出来る。
それが一般株主の利益に叶うかどうかは疑問だが、大株主と一般(少数)株主の利益相反を孕むのが親子上場というものであり、だからこそ、親子上場はコーポレートガバナンス上好ましくないと言われているのである。
もし日産の今の取締役会がルノーによる支配を嫌うのであれば、授権資本の範囲内で(かつ合理的な資金使途を明示して)今の取締役会の決議で増資をしてルノーの議決権比率を下げるか、または、同じく今の取締役会の決議を経て日産がルノー株を10%以上買い増してルノーの議決権を無効にするかしかない。が、それによる対立が3社連合を脅かすことになった場合、誰が勝者と言えるのだろう。
注目のコメント
「フランスのマクロン大統領が経済相だったときにルノーでの政府の議決権を引き上げたことが日産側の警戒心を高め、今回の事態を招いた」という分析。フランス財務相とルノー社が、ゴーンの後任もルノー社から出すことに執着しているそうだ。どう見ても魅力的な自動車を作れないルノー社。技術力が不足しており、生産台数でも日産自動車には大きく差をつけられたルノー社が、いまの実力のままで、再生した日産を支配下に置いて経営権を握り続ける算段を検討しているのだろう。日産はルノー社とフランス政府に「これまでは、ほんとにありがとう。ルノー社との資本関係はここで終わりです」と言って、ルノー社と縁を切ればいいではないか。ビジネスとはそういうのものではないだろうか。日産自動車に人的資源が十分でないのなら、日本のメーカーとの連合を検討してみてはどうだろうか。
ずれた分析だと思う。
複数議決権は、欧州では珍しくない。欧米には、そもそも株主平等原則などというものはない。
古くは第一世界大戦後の外資による買収攻勢に対抗するために、ドイツを始めとして、複数議決権が広く採用されていった。二倍どころか数十倍というケースもあった。
フランスでは、定款で複数議決権を採用できることは、30年代から用意されていた。フラマンジュ法は任意規定を強行法化した。ただし、定款でアプトアウトできる。
こうした歴史的沿革と株主についての考え方の違いを知らず、むやみに稚拙な政治観で頓珍漢な感想には失笑するしかない。
ルノーと日産の周りには敵対的買収からの防御網がが張り巡らされている。そのことは、西川さんも他の人もよく承知しているはずだ。自国雇用と産業のためとはいえ、アライアンスを敵対的買収から防衛するため、法律(ルノー日産条項といわれる)まで作ったのがフランス政府だ。安部政権のように、無防備に外資の参入を許す国とは覚悟の質が違う。
フランス政府の動きは危険だという人達は、水道の民営化かや米ガジノ業者の進出に対して反対するのだろうか?
アライアンスを完成させることが肝心だ。
不用意に政治に近づくと、もみくちゃにされるだけだ。フランスという国のあり方が、企業の株を一定割合を国が持つというスタンスで、それは、ルノー以外の企業に対してもやっていることであり、いわばカントリーリスクの一つかと思います。仮に、↓が背景にあったとしても、そしてゴーン氏に問題を抱えていたとしても、取った手段が特捜部というのが、適切だったかどうかは、別の問題かと思います。
結局、マクロン氏が出した指示に対する日産側の警戒心が今回のゴーン前会長逮捕の伏線になったとして「マクロン大統領がまいた種ともいえる」と分析しています。