次は本格的な「都市論」をやりたい

2018/12/7
「一冊の本」として読める雑誌に
──『PLANETS』は、今後はどれぐらいのペースで出していくのですか?
宇野 本当は半年に1回、出したいんですけど、年1でしょうね。
制作にかかるのは数カ月くらいです。一番時間がかかるのは目次を固めるまでで、目次を決めてからは一瞬で作ります。
──紙媒体ならではの、ビジュアルへのこだわりもすごいですよね。
とはいえ、いかにも雑誌っぽい、90年代っぽい「かっこいいデザイン」みたいなやつは、僕はあまり好きじゃないんです。
「vol.8」のときに一番考えたのは、絶対に視線を泳がせないとか、画像同士を重ねないとか、イラストをあまり使わない、みたいなこと。それって要するに、Web時代の感性なんですよ。
なるべくフラットなデザインにして、入れ込む絵素材によって差異を出していこうという発想ですね。この3号は、ずっとその方針で作っています。
宇野常寛/評論家。1978年生。批評誌〈PLANETS〉編集長。著書に『ゼロ年代の想像力』(早川書房)、『リトル・ピープルの時代』(幻冬舎)、『日本文化の論点』(筑摩書房)、『母性のディストピア』(集英社)、『若い読者のためのサブカルチャー論講義録』(朝日新聞出版)、石破茂氏との対談『こんな日本をつくりたい』(太田出版)など多数。京都精華大学ポピュラーカルチャー学部非常勤講師、立教大学社会学部兼任講師も務める
──紙の雑誌でありながらも、感覚的にはインターネット時代のものにアップデートされているわけですね。