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もっと自由に毛筆を──日本唯一の製硯師が語る、デジタル時代に筆を持つ意味

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最近では“いまだにファックスを使っている”というと笑い話の対象だが、手書きの筆文字が送られるとなれば話は違って実にクールだ。欧米人にとって文字はせいぜいフォントで遊ぶていどで、大抵の場合は情報を伝える記号でしかない。文字を書くという作業を芸術に高めた書道は、漢字文化圏が世界に誇る文化だといっていい。

書道を趣味にしているうちの奥さんが、近所のお母さん(アメリカ人)達を呼んで我が家で書初めをするのが恒例になっている。その年に各自のResolutionすなわち決意、目標を考えてきてもらい、奥さんがそれに当てはまる漢字を選んで手本を書き、本人がそれを真似て自分で書くというものだ。意味をもった文字を書く、という行為は西洋人にとってかなり新鮮かつ深淵な経験のようで、お母さん達はそれを楽しみにしている。最近ではmindfulnessを目標に置く人が結構いて、奥さんは思案の末、”念”という言葉を当てはめた。
素晴らしい。技術革新が進んだ今日日にこそ、文化・伝統の再定義が始まっています。文化や伝統がそのような形で残存してきたのは、人の心につながる何かがあったからであって、この種のものを時代的潮流が革新し続ける利便性や効率性を優先することで見失ってしまうのは本当にもったない。
こういった方の矜持はさることながら、社会を見据える目がとても興味深いです。

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筆と硯というのは、美しい書を書くための専用の道具ではない。それを伝えることが重要です。かつては、現在のスマートフォンのように身近にあって、幅広いユーザーに愛用されていた一種のコミュニケーション用ツールだったわけですから。毛筆文化圏最古の筆記用具が、日本人の生活から消えていくことはすごく残念なこと。「筆で書く」という行為が他人事になってしまう前に、もう一度、筆を扱う楽しさや喜びを伝えなければなりません。そのためには、筆や硯ともっと肩の力を抜いた向き合い方をしてほしいと願っています。
小さい頃習字ならってました 墨をするときの匂い、指に伝わるかすかな摩擦感覚、硯にためた水が黒く染まっていく渦、が好きでしたねぇ