【保存版】ルノーと日産「20年史」のすべて
コメント
注目のコメント
ゴーン・フランスと日産とに善悪の対立軸が世論にすっかり定着したが、この構図には強い違和感を持ってきた。不正容疑や直接的な背景の分析は多いが、そこからの視点は原因の本質が見えない。ルノーと日産が対等の精神から対立の構図へ向かった歴史的事実を理解することで、核心に近づけると考え本稿を執筆した。
100年に一度と言われるCASEの戦いの中で、両社が紛争する痛手は大きい。国家間競争を生き抜く中で、フランスと日本、ルノーと日産は国益や真の競争力に結びつく解決策を迫られる。
最新書:「CASE革命 2030年の自動車産業」
https://www.amazon.co.jp/dp/4532322510NewsPicks総力戦の緊急特集「ゴーン事変」を本日よりお届けします。第一回は、トップアナリスト中西孝樹氏によるインタビュー寄稿です。実は中西氏は1999年当時、ルノー日産の資本提携ディールに関わっていた、「当事者の1人」でもあります。
それにしても、今年6月にルノーCEOに再任され、あと4年やるぞという矢先の今回のゴーン失脚は、やはり衝撃的でした。
ことの始まりは20年前だけに、日産が外資系ではなかった時代を、リアルタイムではあまり知らないという人も多いはず(私もその一人でもあります)。事件の全貌がまだ明らかになっていない中、ルノーと日産の歴史的な関係の変遷をたどることで、事件の真相に迫ります。まさに完全解説・保存版です。日産とRenaultの提携からはじまる「文脈」が書かれている記事。
当初は「救済」という言葉がふさわしいレベルで、就任年には7000億円近い特損・純損失を出し、純資産も1兆円を割った(そこから20年弱、現在は約6兆円)。それくらいリスクが高かった案件だし、そのリスクを取って成功したという点でリターンを享受する権利があった。
東風についても、中国進出が他社比で遅れていた中で、一気に提携を深め、日系メーカーで中国でトップとなった。
一方で、コストや資本配分といった「コミットメント」の先を行く、「どういう企業を目指すのか」「どういうクルマを顧客に提供するのか」という点では、未来を作り切れなかったと思う。
記事にあるRenaultと日産の絶妙なバランスは作ったが、中西さんが指摘されているように両方のトップを兼ねることで、コミットメントの所在が不明確になり、中計でも未達となっていった。
読みながら改めて思ったのは、自動車はグローバルな産業かつ一種の国策産業だということ。
部品産業やサービス産業も含めて、極めて裾野が広い。また高付加価値で競争力があれば輸出もできるし、そこで鍛えられた技術力は、他の多くの産業にとっても重要。だからこそ国家財政への影響や、国の技術力という点でも重要。
Renaultは資本という点でも国が入ってきている(おまけに「仏政府」)が、GMなども含めて国にとって極めて重要な産業。民間レベルにとどまらない構図があり(フロランジュ法は自動車産業だけではないが、構図において極めて重要)、日産・Renaultの大きな伏線となっている。