[東京 19日 ロイター] - 財務省が19日公表した貿易統計によると、10月の輸出は前年比8.2%増、輸入は同19.9%増となり、貿易収支は4493億円の赤字となった。赤字は2カ月ぶり。関西空港の復旧などで輸出入ともに伸びたが、原油価格の上昇などから輸入の伸びが大幅に輸出の伸びを上回った。ロイター集計の予測中央値は700億円の赤字だった。

輸出額は7兆2434億円で、2カ月ぶりに前年比プラスとなった。9月に取り扱いが半減していた関西空港が復旧したことも後押しした。品目別では米国向け自動車や、中国向け半導体などが伸びた。通商交渉との関連で注目される対米自動車輸出は2カ月連続で前年比プラス、台数ベースでは5カ月ぶりにプラスとなった。

輸出先の内訳は対米が前年比11.6%増、対欧州連合(EU)が同7.7%増、中国が同9.0%増。

10月の輸入額は7兆6927億円で過去3番目、同月として過去最高を記録した。

原油輸入量は前年比で7.7%減少したが、市況高騰により金額では同33.7%増加した。輸入増加幅のうち3%ポイント程度は原油が要因という。

<対米貿易収支、1─10月で5兆2644億円の黒字>

輸入額は7カ月連続で前年比プラスだった。サウジアラビアからの原油や、オーストラリア、オランダからの液化天然ガス(LNG)、中国からの衣類などが増えた、オランダ産LNG(北海油田産)の増加は、対イラン制裁を見越した調達先多様化の一環とみられる。

地域別の内訳は、米国からの輸入が前年比34.3%増、EUからの輸入が同10.0%増、中国からが同16.1%増だった。

トランプ大統領が問題視している日本の対米貿易収支は5734億円の黒字で、1─10月累計では5兆2644億円の黒字となった。

*内容を追加しました。

(竹本能文)