【山崎直子✕青木英剛】宇宙旅行の時代が、「本当に」やってきた

2018/11/17
2019年は、SFの世界だった「宇宙旅行」が一気に近づく年になりそうだ。
来年は、起業家リチャード・ブロンソンが率いる米ヴァージン・ギャラクティックやアマゾンのジェフ・ベゾスが率いるブルー・オリジンが、民間の宇宙旅行に向けた準備を本格化させており、注目度が一気に高まっている。
一方、日本でも負けじと、11月16日に大きな一歩が踏み出された。
ANAや丸紅など、名だたる企業の参画の下で、「スペースポート・ジャパン」という組織が発足したのだ。スペースポートは、その名の通り「宇宙港」で、宇宙旅行時代の空港の役割を担う重要なインフラだ。
NewsPicks編集部では、スペースポート・ジャパンの代表理事を務める宇宙飛行士の山崎直子氏と、理事でベンチャーキャピタリストの青木英剛氏に、来るべき「宇宙旅行」時代の本気度について直撃した(全2回)。
宇宙のBtoC時代がやってきた
──今回、スペースポート・ジャパンが設立されることが発表となりましたが、そもそも宇宙港とは何なのでしょうか。
山崎 例えば、ロケットを打ち上げる時には日本にも種子島と内之浦がありますが、スポースポートというのは少し異なります。
スペースポートはいわゆる「空港の宇宙版」というような形で、飛行機型の宇宙船が滑走路から離陸をして宇宙まで行ける、というものなんですよ。もちろん、この拠点を利用したロケットの垂直打ち上げもいずれ可能になるはずです。
「スペースポート」の構想自体は、色々な自治体の方々からご関心を寄せていただいていました。ただこれまでは、まだ先の話だろうという風潮があったんですね。
しかし、世界に目を向けると、米ヴァージン・ギャラクティックがついに運航を開始しますし、イギリスもスペースポートの開設に乗り出しており、世界的に宇宙旅行ビジネスは大きく動き始めています。
世界が動いている中、日本としても「本格的に宇宙旅行ビジネスを実現させたい」という思いで、多くの方々の主体的な働きもあり、今回の発表に至ったんです。
青木 今回の発表は、宇宙旅行ビジネスの土台となる場所という位置付けです。宇宙産業全体で見ると、宇宙旅行ビジネスはまだ立ち上がっているとは言えません。
今までは宇宙ビジネスと言うと、やはり観測衛星やGPSなど、BtoB(法人向け)や政府向けのものが主でした。
しかし、宇宙旅行となるとBtoCのビジネスになるわけです。
つまり、宇宙旅行は宇宙ビジネスにおいて一般消費者を狙える数少ないマーケットであるのです。しかも、全地球の方々が対象になりますので、非常に期待されています。
このような背景があり、アジア初のスペースポートを日本に設立し、最初の拠点にしたいと強く思い、今回の実現に至りました。
──全く想像がつかないのですが、宇宙港はどんな大きさになるのですか。
山崎 施設をどう設計していくか次第ではあるのですが、大体3000メートルぐらいの滑走路とスペースが必要になります。
青木 設備的に言うと、実は既存の空港の設備でもそのまま使えてしまい、むしろ空港よりも満たさなければいけない水準は緩やかです。