【ラクスル松本】産業構造の変化を「先読み」する、僕の方法論

2018/11/19
ネット印刷サービス「ラクスル」から、物流マッチングサービス「ハコベル」へ──。
印刷業界に始まり、物流、そして最近ではテレビ広告業界へと参入領域を拡大させているラクスル。特に、「物流クライシス」が叫ばれるよりも以前から業界に目をつけ、“物流版Uber”とも呼べるサービスを開始していたことは特筆に値する。
2017年7月には、業界最大手ヤマトホールディングスとの電撃提携にこぎつけた。なぜ彼らは、次々と社会的にインパクトのある業界の非効率性を、先んじて見つけ出すことができるのか。
NewsPicks編集部は、鍵を握る松本恭攝CEOの、社会課題の「発見力」に注目。彼の情報収集法から分析手法、そして新規参入の意思決定プロセスについて、徹底的に聞く。
「仕組みを変えれば、世界はもっとよくなる」というビジョンを掲げるラクスルが、印刷、物流の「次」にプラットフォーム展開を狙う市場はどこになるか。
松本CEOの「考え方」に迫ることで、そのヒントを探った(全2回)。

「人生の時間」をどこに投資するか?

印刷業界に目をつけたのは約10年前。振り返ると、当時考えていたことと、今考えていることとは、結構違いますね。当時は、正直「運」も大きかった。
松本恭攝(まつもと・やすかね)ラクスル代表取締役社長CEO
1984年富山県の公務員ばかりの一族に生まれる。2008年慶應義塾大学商学部卒業、ATカーニー入社。約1年半後の2009年9月にラクスル創業。ネット印刷サービス「ラクスル」の他、2015年には物流マッチングサービス「ハコベル」を開始、2017年7月ヤマトホールディングスと資本提携。2018年5月東証マザーズに上場を果たす。