シリコンバレー訪中団が見た、中国テック業界の光と影
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注目のコメント
西の視点から中国を見るとそう感じるんでしょうね。
ここで書いてる中国の影は大きく2点。
・労働時間
・テクノロジーが社会に与える影響
前者に関しては高度経済成長期の日本もそうだったと思うが、それにより生活が豊かになる実感があってみんな好んでやっている。
これは技術職に限らず中国の全てに当てはまる。
後者は役割分担の問題。
中国は西側諸国と違い、常にいわゆる「大きい政府」で、政府が強権を持つと同時に、それがあるがゆえに社会問題はその強権を使って解決してきた。
例えばゲームに関する青少年保護など、日本だと業界団体で自主規制を引く類のことを中国は行政のルールで決める。
結果、自由主義の欧米に比べると、企業が社会的影響を考える度合いが必然的に下がる。
程度論問題なので当然そうじゃない企業もある。
そういう状況を見てディストピアという人は、そう思えばいいし、全体像を理解して自分のミッションに活かす人はそうすればいい。中国のスタートアップ企業でイノベーションが生まれる要因の一つに、チャンスがあればリスクを恐れず果敢にチャレンジする成功に飢えたリーダーたちの存在があるのだと思います。
リーダーによる迅速な意思決定のもとで事業が進んでいくので、スタートが早く変化にも素早く対応できます。
新たなブルーオーシャン市場にいち早く参入し「先行者利益」を得るためには、最初から100%のレベルに達してローンチしていては間に合いません。過去に類を見ない新規事業は何が正解か誰も判断できないため、とにかくやってみるしかないのです。
また実際に始めたとしても、目まぐるしく変化する環境やユーザーの嗜好にスピード感をもって対応できなければ淘汰されるリスクは高くなります。ユーザーのコメントやフィードバック、口コミから問題点を見つけ出し迅速に改善を繰り返しています。
つまり、新しいアイデアが生まれたらその発案者がリーダーとなり、ある程度形になった時点でサービスを開始、問題が出たらそのたびに修正するというのが、中国のイノベーション企業のスタイルと言えるでしょう。
それに加え中国のスタートアップ企業のリーダーたちはとにかく働きます。友人からあるユニコーン企業のトップは毎日平均睡眠時間が2時間で働いているという話も聞いたことがあります。
中国に住んでいると、サービスの国際化が遅れていることを感じます。国内市場もいつかは限界を迎えますので、次の課題は「壁に囲まれた庭(記事引用)」を飛び出すことですね。中国IT企業が開発する技術の多くが、今の時点では、中国の中国人による中国人のためのものである点は否めないので、西側から見ると、いささか不気味で、奇妙に見えることは頷けます。
任さんが解説していらっしゃる、
・労働時間
・テクノロジーが社会に与える影響
以外に、文中では、
・同質的
である点が指摘され、Googleと対比されています。一方で、中国の人からすれば「多様性(Diversity)、プライパシーの保護が良しとされる価値観自体、西洋思想的な概念であり、東洋の我々は参考にすべきではあるが、唯一の正解ではない。」と、考える人が多くいます。
実際に、中国に移住してから気づいたのは、グローバル展開を目指してサービス開発しているFacebook、Twitter、Googleと違って、中国市場に特化しているからこそ、中国のアプリやサービスは、恐ろしく開発スピードが早く、ユーザーフレンドリーで使いやすいのです。
例えば、「Googleが使えないなんて、かわいそうだ」と日本の友人に言われることがありますが、両方体験している筆者から見ると、Baiduの検索エンジンの方がよっぽど精度が高く使いやすい為、そもそもGoogleがなくても、日常生活では全く困りません。
中国視察を通して、中国の技術がすごい、怖い、学ぶべきだと言った意見は多々ありますが、現地の中国人のUser Experienceの視点から語られる記事があれば、より中立的に、多角的な視点で中国社会を理解できるかと思います。