この連載について
今、知りたい注目のニュースの真相から全体像まで、やさしく徹底解説。プロピッカーや有識者による対談、オピニオン寄稿、直撃インタビューなどでお届けする、NewsPicks編集部のオリジナルニュース連載。
RIZAPグループ株式会社(ライザップグループ、英称: RIZAP GROUP, Inc.)は、健康食品やダイエット食品の製造・販売などを行っている傘下子会社を総括する持株会社。 ウィキペディア
時価総額
1,407 億円
業績

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本事案について2つコメントしたいと思います。
①まず、ライザップの本業が属する健康・トレーニング産業は、
むしろこれからが楽しみな有望領域であり、ライザップの決算を見て脊髄反射的に「ジムは斜陽産業」と思い込む愚に陥るべきではない、ということ。
②もう一つは、企業再生は可能であるし、業績不振企業を買収して、負ののれん代を収益計上して足元を補強しながら、当該企業を立て直して企業グループとしての中長期の成長のバネに使うこと自体は、決して筋の悪い戦略ではないということ。
ただし、買収した企業を再生させることが出来なければ、②は絵に描いた餅になる、ということを理解する必要がある。
***「再建は現場の力でやる」(瀬戸氏)という基本方針でやってきたが、赤字企業を短期間に再生させるには困難が伴った。***
これでは雑すぎて、戦略とは言えない。分かりやすく言えば、話にならない。
たしかに、業績不振企業を再生するには、資金繰りを改善するだけで上手くいくケースも実は少なくない。また、販売のチャネルを改善したり、設備投資を行うことで上手くいくケースもある。
ただし、個別企業を、しっかり見て、不振の要因を瞬時に見極める能力と、打つべき手を「いくつも躊躇なく」打ちだす瞬発力と決然たる意志を持っていなければ、その判断もできないし、必要なアクションもとれない。
つまり、企業再生は、常にトップダウンであるべきで、「現場の力」などというあいまいなもので、再生できた企業など聞いたことがない。
まず財務を立て直し、戦略を再構築し、必要な資源を投下することは、現場の仕事ではない。買収した企業のトップの仕事以外のなにものでもない。軌道に乗ったら現場に任せたら良いのはもちろんだが、それはあくまで、再生後のはなし。
それは無数の不良債権に投資をし、企業再生を行ってきた経験者としての確信といってもよい。
そこが抜けていたライザップは、買収して負ののれん代を計上し、それでも利益が上がるので、本業が儲かったと勘違いした投資家が株を買いに走り、なんとなく上手くいっていたと勘違いしていた節がある。「買った企業は再生しなければならない」という当たり前のことにきちんと向き合い、結果を出すのは当たり前のこと。
今回の事例は、成長企業の経営者には非常に参考になる「他山の石」と受け止めるべき。
昨日の赤字決算と経営陣の対立報道を受けて、ライザップの瀬戸社長、松本取締役に緊急インタビューをしました。
今回、ライザップは松本さんの助言によって、積極的な買収を一時的に停止することになります。個人的には、その判断は正しく、今のタイミングで松本さんがいてライザップは助かったのでは、と思います。
ただ、その一方で、これから経営陣の中で松本さんの存在感が高まり、誰も口出しできなくなるリスクもあるのではないかと思いました。
松本さんは尊敬する経営者の一人ですが、必要以上に力が高まりすぎないよう、バランスをとることがライザップ経営陣の課題なのかもしれません。
1点だけ老婆心で加えるなら、代表者が2人で、1人のみ社長の役職が付き、1人は何も無い場合、後者を記事において「取締役」と呼ぶのは、あまり一般的でないように思いますがどうなのでしょうか。まあルールがあるわけでもないので良いと思いますが、職掌変更によりCOOの呼称を取っただけなのにちょっと平取降格のように見えなくもなく違和感を感じました。
さて本筋について
ひねくれたような言い方になってしまうが、私は一昨日の内紛もどき報道には大いに違和感を持ちました一方で、逆に本記事を読んだからと言って、ああよかった、信頼関係が深いな盤石だ、とか仲がいいんだ、とかは全く思いません。
正直、お互い何くそと思う局面は無い方がおかしいし、経営者も人間です。
しかしそもそも経営とは、仲、不仲とかという次元で語られるべきものではありません。
合目的的に、ビジョン達成オリエンテッドな組織体における装置として機能するもので、その機能を果たす旅の仲で、実績と自信を積み重ねるなかで、お前やるな、お前こそ、と言って信頼関係が醸成されていくものだろうと思います。
逆に、冷静に同社の現状を見ればIFRSののれん代会計ルールを利用して積み上げた砂上の楼閣が露呈した、中々に危険な状況、これを乗り越えない限りチームは盤石だ、とは到底言われないだろうと思いますし、そもそも取締役の地位とは取締役同士ではなく、株主の信任によるもの、危機を乗り越えない限り将来にわたり株主信任が得られるかと。
結果がすべてを癒やす。
ぜひ日本経済の悲願のひとつである、プロ経営者の定着のためにも、踏ん張って頂きたく応援申し上げております。
特に、経営資源(特に経営人材)と業容のギャップは、戦略自体は正しくともマネジメント不全から経営を危うくします。
20〜30社のグループ企業であれば対処ができても、80社を超えるとマネジメント不能になるという判断は、ライザップの致命的リスクを回避し得る不可避な意思決定だと考えます。
ただし、「若い人にやらせてみればよい」との対応だけで、赤字会社を立て直せるだけの力量を持ったビジネス リーダーが多数育てられるかどうかは楽観できないとも考えます。
たった1社のターンラウンドですら、何人ものプロ経営者とターンラウンド マネジャーを必要とする場合が多いのですから。
優秀なビジネス リーダーや経営人材が育つ組織風土や組織運営スタイルがライザップ社にあるかどうかは、正直に言って少々疑問です。
これまで瀬戸氏という優秀かつリーダーシップのあるトップが率いて来た企業ですから、単機能型では優秀な人材はいても、経営者タイプの人材は少ないのではないかと推察されます。
だからこそ、瀬戸氏以外の経営陣と松本氏の深刻な対立が生じたのでしょうから。
経営者には、緩と急、フローとストック、効率化と大胆な投資といったアンビバレントなファクターの統合が求められます。
こうした高度な統合感覚やそれを踏まえての組織回しは、頭の良さや行動力だけでなく、広く厚い経験が必要になります。松本氏がプロ経営者としてカルビー社で素晴らしい活躍ができたのは、それまでに伊藤忠やJ&j社でそうした経験を積んでいたからこそだと思います。
こうした人材育成に要する経験量や時間感覚を、瀬戸氏はじめ他の経営陣が持てるかどうかが成否を分けることになると思います。
結論からすると「改革のために痛みを出す。止血と再生」をRIZAP自身も断行するという強い経営意思決定と前向きに受け止めました。また、松本COOが辞任?というイメージ=5ヶ月で会社を去ってしまう、という勘違いも間違っていて、単にCOO役職を外したもので、同時に瀬戸社長のCEO役職も外していた、という。知らなかった。さらに、2人の「不仲説」も多くの記事で読んだけど、2人は本インタビューも決算発表で完全否定。最初は「そうは言っても」と疑って読み始めたが、僕としてはとても納得。この2人は深く信頼し合っていると感じました。羨ましいツートップ。僕も常に「投資してください」のお声を毎日たくさん頂き、ご返信できてないものも含めて数十社のアクティブなのリストを抱え、そのうち何件かを具体的な面談やDDを通して深い検討へ進め、そのうち1社/月くらいを平均的にエンジェル投資しているのですが、自分自身も「そもそもこれでいいんだっけ?」を考え始めた時期。自分個人投資には松本さんのようなツートップはいないけど、優秀な投資チームはいて、常に良いブレーキもかけてくれる。新しい試みとして、古くからのエンジェル投資先であるウェルスナビのレイダー資金調達を受けるという僕にとっては大きなチャレンジを始めたりもしました。その中での今回のRIZAPグループの止血宣言と戦略の180度転換。全く規模も影響度も決断の重さも違うものの、経営者の端くれとしては、とても尊敬を持って読ませて頂いた記事であり決算発表でした。また、記事内で利益もありますが、前回のNewsPicksでの「イケイケ」時代のロングインタビューと合わせて比較読みすると、なお、勉強になります。本当に大変な意思決定。個人的にはお会いした機会もなかったお2人ですが、応援したいと思いました。
https://newspicks.com/news/3106394/
ただ、この記事のハイライトとしては、瀬戸さんが語っている葛藤。買収という過去の成功体験に拘りたいが、一方で誰かに止めて欲しいという潜在意識があったので松本さんを招聘した、ということだとすればすごいこと。結果としてそれを受け入れていく過程での苦しみも吐露しておりまっすぐな人柄が感じられます。松本さんくらいの実績と「重み」がなければ素直に聞けなかったかもしれないので、そこも直感で感じて選んでいたとするとすごいこと。このあとの舵取りが楽しみです
メディアによっては情報を把握していても、スペースの問題で書ききれないことがあったり、思ったように伝わっていなかったり、あえて書かれたりします。"正しいことが世に伝わる"ために広報の仕事は大事だと思いますし、本件ができているできていない、とかではなく一広報としてどう情報を伝えていくべきなのか考えさせられる一件でした。
あと、松本さんが言っている「対立」は健全であれば大切だと思います。ただの言い合いではなく、物事をよくしたい・状況を前に進めたいという気持ちを全員がもっていることと、お互いのリスペクトが大事です。
忖度してうやむやになって、誰がどんな考え方をしているかわからないより、よっぽどいいと思います。
赤字企業再生と、負ののれん代の利益計上というモデルで大量の企業買収をしてきたライザップだが、社内が買収モデルに頼りすぎて、「何がなんでも買収」が目的になっていたような気がする。
そうすると、どうしても買収候補企業の評価と成長戦略が甘くなる。
また大量の買収は、それをコントロールする社内の人材不足も顕著化する。
だから、松本さんが「ここいらで少し立ち止まって、整理しようよ」と言い、
瀬戸さんが、先輩経営者からのその忠告を受け入れたと言う事でしょう。
松本さんは、自分の得てきた経営ノウハウを瀬戸さんに一生懸命伝えようとしているのだと思う。
その意味では、瀬戸さんは素敵な「ビジネスの親父」を得たのかもしれない。
私は長く経営をやってきて、いろんな人に会いましたが、瀬戸社長のような人は、あんまりいないですよ。可愛いし、本当に素晴らしい人だと思います。
ご両親にもお会いしましたが、このご両親がいるから瀬戸健があるんだと確信しました。お父さんも素晴らしいし、お母さんはもっと素晴らしい。
ただ、あまりにも優しい。だから一人くらい「うるさいお父さん」がいてもいいんじゃないかな(笑)
駆け出し記者時代、先輩からは「取材の基本はトップを直撃すること。会社なら社長、暴力団なら組長、事件なら被疑者と被害者、およびその肉親」と言われたものですが、Newspicksの取材チームは、それをテンポもセンスも絶妙に実行している。見習わなければ、と思う。