自動車バッテリーのコバルト使用量を減らす新たな技術「GEMX」
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Patentはまだ確認しておりませんが、本記事のCo削減技術は「コバルトをカソードの化学構造内の特定の空間に挿入するもの」で、「コバルト含有量をバッテリーカソードの4%まで減らすことができるという。現在は約20%の含有量が必要とされている。」ということです。
そして「「GEMX」と呼ばれる新発明は、さまざまな種類のニッケルベースのバッテリーに使用することができ、主要なバッテリー製造市場である米国やEU、中国、日本で特許を取得している。」とのこと。
現在、リチウムイオン電池の主流である三元系NMC(Ni, Mn, Co)正極材料は、Ni:Mn:Coの比率を1:1:1から5:3:2、そして8:1:1へと徐々にCo含有率を減らしてきています。しかしその反面、Niリッチな組成となるため、安全性の問題が懸念されております。
記事内では、安全性に関するコメントは一切ありません。量産したらどうなるかは心配ですが。。
今回更に気になったのは、生産ラインへの投資規模ですね。
>>発明に基づいたカソードの生産を増加させるため2億ポンド(約298億円)を費やす計画だ。
>>BASFも、どの化学技術を使用するかは具体的にしていないが、4億ユーロ(約518億円)をカソード生産に投資する計画を発表した。
住山のNCAの生産量倍増投資でも、総額約180億円ということですから、どれだけこの技術に期待しているのかというのが分かります。https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00434762
2018.12.26追記
GEMXは、TIAXの子会社のCAMEX Powerだったんですね。CAMEXはバッテリーの材料開発にとって画期的なCAM-7プラットフォームを、独BASFや英Johnson Mattheyに提供しているユニークな材料開発ベンチャーです。
以下のMIT Reviewに日本語で紹介されております。
https://www.technologyreview.jp/s/63103/this-startup-developed-a-promising-new-battery-material-and-a-novel-survival-strategy/