今の親が知っておきたい、新しい「子育ての原則」

2018/11/12
自分で考えられる子どもを育てる
教育の世界に「2020年問題」が迫っている。2020年度に文部科学省が実施する、学習指導要領の改訂、そして大学入試制度の改革のことだ。
その中身を一言で表すなら、「自分で考え、表現し、判断できる子どもの育成」。従来の教育制度が、教師から与えられる知識の理解度を測ることに比重を置いていたとすれば、新たな学習指導要領では、単に知識を増やすだけではなく、それを実生活の中で活かす方法を考えることが重視される。
そのため学校教育の場では、教師による一方通行の授業から、生徒自身が主体的に参加する「アクティブラーニング」と呼ばれる形態の授業が増えると予想される。
同時に、学校教育の一つの到達点である大学入試についても、「センター試験の廃止」が断行される。
新たに始まる「大学入学共通テスト」では、マークシート式のセンター試験とは異なり、国語・数学で記述式問題が導入される。また英語科目では、従来の「聞く」「読む」に加え、「話す」と「書く」も試験項目に加えられ、より実社会での運用を視野に入れた出題がなされる。
数十年にわたり続いてきた学校制度が根底から変化する、「大改革」のタイミングに我々は立っている。
輝きを失う「旧来のエリートコース」
その背景にあるのは、言うまでもなく、社会が変化するスピードの増加である。
「あと10〜20年で、49%の職業が機械に代替される可能性がある」「2011年にアメリカの小学校に入学した子どもの65%は、今は存在しない職業に就く」──こうしたデータを持ち出すまでもなく、現在からは想像もできないことが起きる未来を生き抜く能力が、これからの子どもたちには求められる。
当然、いい中学、高校からいい大学に入り、いい企業に就職するといった「旧来のエリートコース」は、もはやその輝きを失っている。今の「いい企業」が、数年後にも同じように「いい企業」である保証はどこにもないからだ。
教育改革実践家の藤原和博氏は、「僕らや今の親世代が信じてきたエリートコースは、もう目指すべきところではない」と述べる。
では、これからの子どもにはどのような力が必要で、親世代は、どのような子育てを試みればいいのか。今回の特集では、これからの教育を誰よりも考え、実践してきた人物を取り上げながら、子育てのヒントを探っていく。
特集ラインナップ
第1回は、藤原氏と花まる学習会代表の高濱正伸氏が登場。親世代から絶大な支持を集める「子育てのカリスマ」が、これからの時代で突き抜ける「ニューエリート」の条件について語る。
【藤原和博×高濱正伸】子どもをニューエリートに育てる方法
第2回は、予防医学研究者・石川善樹氏と、その父で医師である石川雄一氏の対談を掲載する。実は善樹氏のユニークな性格は、雄一氏の子育てによるところが大きい。秘められた「石川家の子育て」が語られる。
【父子対談】どうやって「石川善樹」を育てたのか
第3回は、マンガ『ドラゴン桜』の主人公である弁護士・桜木建二にインタビューを実施。
「東大受験のバイブル」と言われる『ドラゴン桜』だが、2020年度の入試制度改革を踏まえ、続編の『ドラゴン桜2』では、まったく新しい教育論を展開している。そのエッセンスについて聞いた。
【直言】小学校・中学校受験は子どもの将来を不幸にする
第4回は、アインシュタインからザッカーバーグまで、数々の天才を輩出してきた「ユダヤ人の子育て」を取り上げる。「子どもが熱中できることを持てるようにする」という、具体的な方法論とは。
【秘話】生きることは学ぶこと。天才を生むユダヤ人の子育て
第5回では、シリコンバレー在住の起業家・石角友愛氏が、自身の体験談から、子どもの自由な発想を伸ばす「シリコンバレー式教育」の姿を解説する。
【現地ルポ】シリコンバレー式「ニューエリート」の育て方
(予告編執筆:野村高文、バナー写真:Blue Images/Getty Images、デザイン:九喜洋介)
*12月発売予定の「NewsPicks Magazine」第3号では、本特集にオリジナルの記事を加えた、教育・子育て特集の完全版を掲載します。年間割引かアカデミア会員にお申し込みいただくと、マガジンをご自宅までお届けします。