ソフトバンク孫正義氏、サウジ問題に言及「決してあってはならない事件」
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注目のコメント
適切な発言であり、裏にはやや苦悩が見え隠れした感も無くはないが神妙かつ堂々とした面持ちの、流石の決算発表だったと思います。
「決してあってはならない事件」
「強い遺憾の意を示したいと思う」
「サウジのイベントは欠席したが、サウジに行った。目的は政府高官たちに懸念を伝えるためだ」
と明言した。そう言わざるを得ないと外野が言うのは簡単だが、今後の関係性も鑑みて簡単ではなかったと思う。ほかの経営者なら、もう少し当たり障りない表現で逃げていても不思議ではないところ、毅然とした発言だったと思う。
また今後のサウジとの付き合い方については以下のロジックとした。
「PIF、すなわちサウジの国民の資金を預かっている、これはサウジの国民の将来の担うものであり、今回の事件でそこから背けることなく、しっかりサウジ国民のために今後もその責務を果たす」
相手は(事件を起こした)サウジ王家ではなく、サウジ国民。そうロジックを変えた。一応事実でもある。流石の孫さん。もう二度と夢は語れない。ムハンマド皇太子の王位獲得プロジェクトのためのイメージ戦略としての「ヴィジョン2030」と「ヴィジョン・ファンド」は資金的に、そして理念的にも結びつきすぎている。日本の企業は気にしないかもしれないが、夢を膨らませることに長けた欧米企業にとってはレピュテーション・リスクは致命的。ムハンマド皇太子のPIFからお金が出た「ヴィジョン」がくっついたものをもらうことが、夢を膨らませる類の事業にとっては特に困難になる。政治・文化・思想面でのリスク評価をおろそかにしすぎたツケは、日本の庶民の携帯電話代金をかき集めた上澄みで払うことになる。
発言の歯切れの悪さは仕方のないところでしょうか。
砂漠のダボスではメインイベントのまさに当事者でありながら、登壇はおろか会場にも姿を見せなかったわけですが、皇太子面会はその埋め合わせのつもりだったのでしょう。それはそれでアラブと付き合う上では大切な判断です。
ビジネスと政治は別腹という流れで今後も進められるとは思いますが、個人的な人間関係には決定的なヒビが入ってしまっているはず。アラブでビジネスをやっていく上で、後々大きな問題になる可能性もあるでしょう。
アラブ世界では万事が全て「トップダウン」で決まります。トップは一人しかいません。その一人との関係がこれまでどおりではなくなった時、それまでのような「打てば響く」明快さは失われます。
(追記)
こちらの記事では、ファンド2に関してもう少し踏み込んだ発言が掲載されています。
『サウジ共同ファンド、将来は「原因究明後」=ソフトバンクG社長』
https://newspicks.com/news/3437599