【3分解説】免震建築の不正で、これだけは知っておきたいこと

2018/11/8
またもや日本を代表する優良企業の「不正事件」である。
10月16日、油圧機器の国内最大手メーカーKYBと、その子会社のカヤバシステムマシナリーが製造する「免震・制振ダンパー」において、不正があったことが明らかになった。
KYBといえば、世界第2位の自動車向けサスペンションメーカーであり、筆頭株主はあのトヨタ自動車である。それほどの名門企業において、15年にわたって検査データの改ざんが行われてきたというから衝撃的だった(前編参照)。
【1分解説】免震不正ショックと「名門企業の不正」の共通点
その間、約1000件の建築物に、KYB製のダンパーが設置されている。
果たしてこれらの建物は大丈夫なのか。そして、ダンパーの製造現場や建築現場は、今どうなっているのか。
ゼネコン勤務経験があり、免震建物の安全審査などにも数多くかかわってきた、名古屋大学減災連携研究センターの福和伸夫センター長に寄稿してもらった。Q&A形式で解説をお届けする。

建物における「ダンパー」という存在