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注目のコメント
資本主義の世の中ですから、社会インフラといって過言でない巨大な企業が出てきます。マイクロソフト製品なんかもそうですが、WhatsAppなんかも万が一突然消滅すれば、公私ともに世界的な大混乱が起きるでしょう。社会インフラになってしまうと、運営企業はやめるにやめられません。そして、営利企業だったはずが、社会的責任を負わされるようになり、特にフェイスブックのように世界規模の社会インフラとなれば、世界のあちこちで起きていることについて責任を問われます。
社会インフラの運営者、というのは、つまり国家に似てきます。国家は税や天然資源を財源にして、多くの何の収益性もない事業(教育や軍事を含む)を手がけます。SNSの運営企業も、社会インフラの運営者となれば、収益性がない事業でも手がけざるをえず、別の財源が必要になります。財源はまず広告だったのですが、ミクシィがゲームを手がけてみたり、特典のある有料ユーザー登録をしたり、お見合い・出会い系サービスをやったり、オークションの場を設けて手数料をとったり、とにかく多角的に財源をつくろうとしてきました。社会インフラをもっているのだから、それをどうやって収益にするのか、が課題になります。動画配信サービスや教育事業との提携といったビジネスもあります。Eコマースとの提携、一体化はさらに進むでしょう。
国家が強いのは、社会インフラを財源にしなくても、他にはるかに大きな財源(税や天然資源)をもつ力・正当性があることです。SNSという社会インフラが、技術的に低コストで運営できているうちはいいですが、フェイスブックを筆頭に、SNS運営のコストは増大しているように見えます。新聞・テレビがそうであったように、従来はボロ儲けだったのが、巨大な社会インフラになるほどにコストが増大していき、営利企業でありうるための収益が確保できなくなる、ということがあるようにも思えます。ビッグデータの収集者であり、デジタルマーケティング・広告で大きな役割を果たしてきたフェイスブックは、同時に膨大な社会的責任を問われることになります。今後出てくる規制やリスクに対応するコストもまた膨大でしょう。ニュースフィード広告はGoogleのアドワーズと並びネット広告をテレビCMと同じレベルまで引き上げた最大の功労者である広告フォーマットです。そう簡単に変わりは見つかりませんよ。
まずはメッセンジャーとワッツアップの20億人をどうするか。もっとLINEとwechatから学んだ方がいいと思います。顧客が望む方向に舵を切ると収益性が落ちる。ここに2面プラットフォームというか広告収入依存の矛盾がある。トップラインが伸びているうちはいいが、伸びが鈍化してくると隠されていた矛盾が露呈してくる。ここが難しい。根本的解決は広告収入以外の収益源を伸ばすことだが、フェイスブック社の経営は骨の髄まで広告業としてできているので、収益源の転換はいよいよ難しい。当分は試行錯誤が続くとみた。