【直言】保険会社が〝イケてる〟サブスク企業になれる「理由」
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MHMの増島先生の記事。
・銀行グループは小売などの非金融ビジネスを抱えることができないが、保険会社グループは非金融ビジネスを抱えることができる。
・保険には、払い込んだ保険料を原資としてお金を借りることができる契約者貸付がついている。
注目のコメント
記事になる過程で編集にだいぶ簡略化されてしまいましたが、
① 保険サービスはこれから規律付けとモニタリングの機能が重要になる
② 金融としての保険という観点から、従来の制度のユーザビリティをITを用いて今より10倍高めることを考えるべき(イノベーションにおける10xの法則)
③ 保険会社でも、(a)保険加入の後ろにある顧客の真のニーズにまで遡って深掘ったうえで水平展開するテーマパーク型を目指すか、(b)保険機能とその周辺に着目して便利な金融サービスを目指せば、少額高頻度のタッチポイントを作り出してデータ収集・解析、プロダクトや顧客体験の改善につなげる王道ルートを描くことができる
というメッセージは伝わったのではないかと思います。
(b)で契約者貸付というあまり業界の外では聞いたことがないかもしれない保険の機能をご紹介しましたが、金融機能について横断的に理解されている方であれば、ここに着目した理由や、なぜ資金移動業の話を持ち出したのかをご理解いただけるのではないかと思います。本日の保険特集は、IT業界に明るく、金融庁保険課でも勤務経験がある増島雅和弁護士による「直言」です。
ここで出てくる、「契約者貸付を利用した生命保険商品」というアイデアは、本当に実現してほしい。保険業法には、銀行法よりも自由な面があることも初めて知りました。こう見ると、日本でも保険のイノベーションは十分起こせるように見えてきます。
あとは、各社の横並び意識と、保険の契約高で判断するKPIを変えられるかが鍵のように思えました。保険の事業の本質から、規制、可能性までとてもまとまっていて、是非読んでいただきたい記事。
保険がサブスクリプション型というのは、本当にその通り。
毎月・毎年、定期的に払う金額はそこまで大きくなくても、累積すると大きなお金になるので、家についで大きい金額になりがちなのもそれが背景。
逆に、保険会社の観点では、そういうビジネスなので、営業コストを払ってでも獲得する経済合理性があるともいえ、歩合制営業などが今も強い。
健康で長生きについて、規律付け・モニタリングは機能するか?
人間は自ら動機付けをできるかが行動を決める生き物だと思っている。その意味で、体に良くないと分かっていてもやめられないもの、モニタリングされることが窮屈になるのも実際かなぁと。
一定、健康で長生きのためにテクノロジーの進化を、特に保険というレベルでまで活用する人はいるだろう。だけど、保険をきっかけとしてそこまで頑張れる人はそんなに多くないのではないかと思う。
契約者貸付については、個人的にはネガティブ。
この制度があるのは、解約返戻金があるからで、掛け捨て型の場合はないという理解。そして保険の「保険」という本質的な機能部分に、資産運用機能を足していくから解約返戻金があるし、それはコスト増大にもつながる。
コストは下がっていく方に動くと思っているし、バンドリングして全体に対してコストをかける商売は、顧客目線ではないと個人的には思っている。一方で、保険事業者としては儲けが厚いので、それを志向していくことやその可能性については、とても興味深いとも思う。