【独自】ローソン銀行はキャッシュレスの「起爆剤」になれるのか

2018/11/2
金融庁が7年ぶりに銀行免許を交付し、10月にローソン銀行が動き出した。キャッシュレス化の波が押し寄せる中、なぜローソンはあえて銀行業に飛び込むのか。ATMやキャッシュレスの誤解と正解を、山下雅史社長に解説してもらった。
我々は、新たな金融ビジネスに銀行という形で挑戦してみたいと思いローソン銀行を立ち上げました。
キャッシュレス社会が到来している中で、なぜ銀行なのかという指摘が多いのはもっともだと思います。
しかし、ローソン銀行はキャッシュレス社会に現金で対抗しようとしているわけではなく、むしろ銀行を持つことで「推進」しようとしています。
あえていうとキャッシュレスは携帯電話みたいなもので、ATMからお金を出すのは公衆電話みたいなものでしょうか。
だから電話ボックスを運営している企業が携帯電話事業をやろうというと、違和感があるのでしょう。携帯電話が普及して公衆電話がなくなったように、ATMとキャッシュレス決済もまた、相対するものではないのかと。
しかし冷静に考えると、ATMとキャッシュレス決済は、支払い方法という点では競合していても、根幹が銀行口座にひもづいているという点で、一直線上でつながっているのです。
そして、銀行口座を持てるのは、金融庁から銀行免許を交付された事業者だけです。
ローソン銀行は、いかにしてキャッシュレスを後押しするのか。特集の後半は、その点をご説明します。