この連載について
創業40年近い、老舗IT企業であるアドビが、猛烈な勢いで「再成長」している。世界のクリエイターを熱狂させ、マーケティングの世界でも強さを見せる、この企業の爆走の背景には、5年前の抜本改革があった。その最前線をレポートする。
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Adobe provides content creation, document management, and digital marketing and advertising software and services to creative professionals and marketers for creating, managing, delivering, measuring, optimizing and engaging with compelling content multiple operating systems, devices and media.
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この分野は、なかなかすっきりわかりやすく解説するのが難しい世界ですが、ウォッチャーとして、出来るだけみなさんにもわかるよう心がけてシンプルに記載してみました。
二社には事前にキーパーソンにヒアリングかけて、なんとなくチェックもらってますから、一定の納得感はあるんじゃないかな?
私は日本企業に対してとても焦っているのですが、その理由はなんといってもこの今の世界が見ているマーケティングの世界観に乗っかれるデジタルトランスフォーメーションが出来てそうな日本企業があまり想像出来ないことにあります。既に欧米の大手企業は10年前からこれに挑んでいるのですが、日本はまだまだ端緒についたばかりですよね。良いものを作れば売れるという信念から、マーケティング、ブランド、ビジョン、ミッションと言った言葉やその領域の言葉や概念を勝手にふわっと解釈して、きちんと突き詰めて理解し、専門家を育てて来ていないツケでもあります。未だに国内ではマーケティングに関しては、さながら二次方程式の解の公式を求めようとするような議論が散見されますからね…
私は多分、欧米やアジアの外資企業含め、マーケティング研修を数多くやっていたり、世界からグロービスに集う社会人経験を持つフルタイムのMBAの学生(日本人はほとんどいません)を教えたりしているのでますます焦ってしまうのです。日本では未だにコトラーマーケティングを求められることが多い。それにブランド戦略理解が大変弱いので、結果としてこの分野についてはHowの理解が強く、Whatがギリギリ、一番大事なWhyがとても弱いことも感じます。これ本当に日本企業に顕著なんですよね。
ただまずはマーケティングに興味を持って真剣に考えてもらうところからがスタート。だから歴史のコトラー、もの視点のマーケティングも、やる方がやらないよりずーーーーっとずーーーーっといいし、少しでもお伝えできることはお伝えしていかなきゃと日々思う次第です。
最後に大事なこと!私のおしゃべりをスッキリした素敵記事にしてくださった森川さん、本当にありがとうございます〜♪
現時点では、ここで武井さんが書かれている通りエンタープライズ向けに軸足を置いておきながら、そのエンタープライズ企業の方々には、Adobeがデジタルマーケティングサービスを提供していることの知名度は、とりわけ日本市場においては依然低いと言わざるを得ない状況です。事実、私もたまたま縁あっていまはAdobeにいますが、それまでは知りませんでしたし。
今回の特集、とりわけ本記事はデジタルマーケティング領域におけるAdobeの立ち位置も非常にわかりやすく示していただいており、Adobeが「Photoshopやpdfの会社」にとどまらないことをご理解いただくには十分すぎるほどで、デジタルマーケティング領域に携わる私としては有難い限りです笑
ご興味ご関心お持ちの方、喜んでお伺いさせていただきます、よろしくお願いします!笑
デジタルトランスフォーメーションだとか、エクスペリエンスという言葉はともすると宙に浮きがちですが、マーケティングが「売上に責任を持つこと」という観点、そしてそれぞれのプレイヤーの出自をみると、今起きている業界変動がよりよく見えてきます。
アドビやセールスフォース、そしてSAPの動きは注目ですし、そこにAWSのアマゾン、Azureのマイクロソフトというクラウドプレーヤー、さらにはグーグルのような広告プレーヤーを交えてみていくと、この世界の構図がより立体的に捉えれるのではないでしょうか。
スマートフォンの覇権争いにおけるGoogle vs Appleの頂上決戦をなんとなく思い起こしますね。オープンなエコシステムを是としビジネスモデルで覇権を狙ったGoogleと、圧倒的な製品ブランドでユーザーを囲い込んでいったApple。 一時期までは両社が競合関係になるとは思われていなかったところも似ている(GoogleのシュミットがAppleの社外取締役をやっていたくらい)
Salesforceのビジネスモデル・顧客基盤か、Adobeの製品力・ブランド力か。C向けの世界と同様、B向けの世界も顧客体験やUXが圧倒的に重要になってきている中で、業界構造や競合関係が合従連衡の中でどんどん変化していく。FrienemyやCo-petition。手を握り合いながら足では蹴り合う、みたいな。
デジタルマーケティングの世界におけるこの動きを追随する形で、他のB向けの提供機能も変化していくと思う。特にHRtechの領域は2-3年遅れでMartechの動きをなぞっているように見えるから、巨人たちのこの動きはあらためて注視したいですね。
Salesforceを導入しているクライアントではじめて見せてもらったときは「自動化っていうのはこういうことかぁ」とあまりの出来の良さに感動すら覚えたものです。
一方で、Salesforceの導入を検討したいので、問い合わせフォームからメッセージを送ったら、速攻で営業担当者から電話がかかってきて「もしやこれは営業マンと見せかけて実はAI!?」と思いきや、そんなわけはなくて数日後にその本人が提案に来てくれたり。自動化を標榜しつつ実はアナログも大切にしている実にチャーミングな会社でもあります。
出自が違う両社なだけに戦略も対照的で、Adobeは既に気分が悪くなるくらい儲かっていますが、一方のSalesforceはAmazonと似て利益なんて出さずに赤字も厭わないパイの拡大に勤しんでいます。
共通しているのは、どちらも株式市場ではモテモテという点です。
Adobe最大の弱点はココです。アメリカのデジタルの存在感はSMBから生み出されていると思います。数億人のユーザー、SMBの数百万社からの小口課金を背景にプレミアム版を大企業に売る、という感じなのでダイナミックな決断が多いですよね。
武井プロのご指摘どおり、日本は壊滅的にヤバいと思います。SIerに完全に依存しておりほぼ根幹を誰かに預けています。免許事業や役所ならまだわかりますが、自分で何も改修出来ない独自要件のシステムのつなぎこみなど絶対にやめたほうがいいと思いますよ。
SAP、Salesforce、Adobeと出自とレイヤーの違うプレーヤーが覇権争いをしている構図、そこにMSやGoogle、Amazonらがどう絡んできているか、データ回りのベンチャーへの出資合戦がどうなっているのかなど立体的に理解できました。
最後にお写真がどーんときて、びっくりしますが 笑
武井さんはこの3つの波で、それぞれSAP、セールスフォース、Adobeを比較しています。とてもわかりやすい。これらが一気通貫でデジタル統合されれば、企業のデジタルトランスフォームは加速する。それをめざして、各社が買収や提携合戦を繰り広げているようです。
武井さんの憂いは日本企業がデジタルトランスフォーメーションの本質を理解していないということ。「顧客体験価値やカスタマージャーニーという考え方は本質を見ることなく、一過性のブームだったり、プロモーションと捉えられてしまっています」。
Adobeファンとしては、クリエイターの現場(コンテンツ会社やデザイン会社)から3つの波を連携させていってほしいと思います。クリエイティブな人は、データの意味をわかっている。ビジネスモデルをクリエイトする能力があります。
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テックを使いこなせない日本
ちなみに一点だけ心配しているのは、日本の企業が、これらデジタルマーケティングのテクノロジーをほぼ使いこなせていないのではないか、ということです。法律の問題などもありますが、それにしてもデジタルトランスフォーメーションについての理解が乏しいと思います。
例えば、グーグルは1日に2万回ぐらいローンチコードしていると言われます。クラウドなので少しの変更もローンチになるからです。
それに対して日本の場合は、何かシステムを変えようとするといちいち倫理などの話になり、不要になったプログラムを削除することすら許可が必要、というような企業がたくさんあります。
向こうはちょっとしたコードの書き換えはエンジニアで完結し、スピード感を持って進化しているわけですから、日本企業が追いつけるはずもありませんし、クラウドを使いこなせるはずがありません。
非常に悲しいですが、日本国内のマネジメントでこのような話ができる人も限られています。
一方でデータの取り扱いについてが次のキーになってくると感じており、これまで別の目的のためにDBに格納されるラベリングされたデータから、顧客体験の為のデータとして新たな意味付けをし、活用していくための次世代のデータの取り扱いが必要になってきます。
自社が取り扱うデータ、そしてそれを取り扱う為のエコシステムをどう組み立てていくかは、これからのデジタルトランスフォーメーションのキーになると感じています。