【落合陽一×北野唯我】就活と転職をアップデートせよ

2018/10/26
10月24日のWEEKLY OCHIAIは「就活と転職のアップデート」。ワンキャリア最高戦略責任者の北野唯我さんをゲストにお迎えし、採用と人事、そして労働マーケットをどのようにアップデートするか議論しました。
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就活は既にアップデートされている

著書『転職の思考法』が発売2ヶ月にして10万部越えのベストセラーとなった、北野唯我さん。
北野唯我(きたの・ゆいが)。2010年博報堂に入社。2013年同社退社後、米国・台湾へ留学。2015年ボストンコンサルティンググループ入社。2016年ワンキャリアに参画、執行役員に就任。
この日の議論は「就活ではなく、採用と人事、そして労働マーケットをアップデートするべき」という北野さんの一言から始まった。

仕方なかった、総合職一括採用

「職種別採用はグローバルに見たら、当たり前の話。」(北野)
北野さんは、総合職一括採用の背景に日本の産業構造があると指摘する。
重工業・自動車産業といった、日本が得意とする「資本集約型産業」においては、画一的人材の採用で成長が望めた。
しかし、「知識集約型産業」に移行している現在、多くの企業がシステムの転換に直面し変化にもがいている。
「限界費用がゼロなソフトウェアが降ってきた時に人間がどう労働するか、真面目に考えたことがある人事さんが少ない。」(落合)
落合陽一(おちあい・よういち)。1987年東京都生まれ。筑波大学 准教授・学長補佐 デジタルネイチャーグループ主宰。ピクシーダストテクノロジーズ代表取締役。

転職はアップデートするべき

「転職の移動コストを下げない限り、成熟産業から成長産業に行ったり、人が移動できないような社会になってしまう。」(北野)
産業構造が移りかわる中、変化を乗り越えられない会社は人が流れ、あるいは潰れていく。
北野さんは、転職の移動コストを下げ、転職ができる状況をつくった上で、今の自分の仕事を好きになるのが良いという。

所属の問題じゃない

「ガバナンスの問題。どこに属するかを考えるのは僕はあまり面白くない。」(落合)
一方、北野さんの意見に対し、個人側ではなく、経営や制度側のガバナンスを変えるべきだという落合さん。
議論中盤、北野さんと落合さん、それぞれ異なる問題意識から議論は白熱する。

個を変えるか、ガバナンスを変えるか

「課題は配置効率にある。ガバナンスの問題は稼働率の問題。」(北野)
「配置効率もガバナンスの問題。経営や制度の問題をサービス従事者の問題として扱うのは、ガバナンスの悪さを不透明にしている。」(落合)
成長産業へ転職する個を勇気づけ、配置効率の問題を解きたいという北野さん。
社会の空気は簡単に変えられないからこそ、ガバナンスに着目する落合さん。
互いの意見を尊重し、弁証法的に織りなされた議論は本編にて。

忖度の働く、日本社会を生き抜くには

「社会の雰囲気は自己責任じゃない。自己責任になるようにしてしまったのは誰か。」(落合)
「価値観は文化・文脈と思考法の2つに分かれる。思考法は今からでも変えられる。」(北野)
個人とガバナンス、どちらも変えるべき課題がある中、そこに忖度が働く日本社会。
そうした社会を、どんな姿勢で生きるべきか。
深まる議論を、ぜひ本編でご覧ください。
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次週は「芸術のアップデート」

次週、10月31日は「幼児教育のアップデート」より再び、教育改革実践家の藤原和博さんをゲストにお迎えします。
テーマは「芸術」
NewsPicksアカデミア会員の皆様は、下記のページより、番組観覧にお申込みいただけます。(先着40名、残席僅かとなっております。)
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これからの芸術・美術はどうあるべきか。
今年7月『知られざる北斎』を上梓したノンフィクション作家の神山典士さんも交えて、藤原さんによるモデレート形式で考えます。
<執筆:潘嘉敏、デザイン:片山亜弥>