前代未聞の大移動。中米からアメリカをめざす7000人超の集団移民
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中東民主化が挫折し、中南米も破綻しつつあることは、移民・難民の大規模流入につながり、トランプ大統領当選の主な背景の一つでもあります。
移民問題は人類史上広く見られる課題で、中国に匈奴やモンゴルが、ローマ帝国にゲルマンが、中東にトルコが流入してきたように、豊かな国に人々が流入してくるのはよくあったことです。現代の欧米がお手本とするローマ帝国が編み出した対応策は、ゲルマン人やガリア人、中東諸国を予防的に軍事力で制圧し、文明的に同化し、経済的に豊かにする、というものでした。そうすることで、ローマに向けて流入してくることは減り、ローマ帝国は400年ほど寿命を長らえました。
米国の中東民主化構想、とりわけイラク戦争は、このような予防的な制圧と同化、経済的な発展を目標としましたが、ものの見事に失敗し、むしろ逆効果となって、現在の難民問題が起きています。米国は、中南米においても、長年、開発と発展を支援しようとしてきました。大きな戦乱にはなっていないので目立ちませんが、中南米も中東と同様に破綻しつつあります。ベネズエラの経済的破綻が比較的注目されていますが、ホンジュラスも危機的であり、中南米諸国で殺人事件で殺される人数は、中東での戦乱の死者よりも多い、という報道もあります。
https://jp.wsj.com/articles/SB10409681559895564521504584492464160208606
この事態に対して、中間選挙直前のトランプ大統領が打ち出した対策は、軍を南部国境に配置するということと、中南米諸国への支援を停止する、というものです。
https://www.asahi.com/articles/ASLBR2CHMLBRUHBI009.html
中南米からの人々の流入を止めることにはならないでしょう。本当に止まるのは、中南米が米国に近いくらい豊かになった時か、米国が中南米に近いくらいに破綻した時でしょう。中米発アメリカ行き移民のテーマは、すごく古いテーマ。たくさん映画にもなっていて、アメリカ・メキシコ映画「闇の列車、光の旅」(原題:Sin Nombre)とかは、すごくよく描けています。
そんな古いテーマがなぜ今、出てきてたかが気になります。明らかに、アメリカの中間選挙絡み。大量に橋を渡る人たちの「絵」を流すことで得をするのは、誰か。陰謀主観ですが、用意周到に「仕組まれたニュース」に見えなくもないです。
ちなみに、私自身、学生時代ホンジュラスにもグアテマラにもはメキシコにも、バックパックで旅したことがありますが、いずれも〝いい国〟です。ホンジュラスやグアテマラ、メキシコ南部はまだまだ貧しく危ないところもありましたが、彼らにとっては、同じスペイン語圏であるメキシコに出稼ぎする選択肢もあるはず。
メキシコからアメリカへの移民が減っている統計もあるなかで、「なぜいまこのニュース?」と思ってしまいます。どこからアメリカ国境を越えようとするのかわかりませんが、メキシコ側の国境の街は大混乱になるでしょうね。国境を陸で面していない日本ではなかなかここまでの規模のものは想像がつかないですね。