AI研究で「未来のバイリンガル」を育てる、名門MITの新大学構想
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AI研究は、非常に多くの様々な分野に応用していくべき段階に来ています。いい方を変えれば、人間の心理や身体、経済を含む社会の様々な活動、宇宙や大気、海洋を含む自然についての問題を見つけ出し、AI研究やデータサイエンスをどのように応用できるか、を立案できる能力が必要になっています。この能力を持って、「現代のバイリンガル」と呼ばれるのでしょう。「現代のリベラルアーツ」ともいえるでしょう。AI研究がわかれば世界のことが全て理解できるわけではありませんが、世界を動かしている仕組みを理解した上で生きていくのと、理解しないまま生きていくのでは、生きているうちにできることが変わってきます。
20年前に、Eコマースが近い将来に非常に大きな経済活動になってAI研究やデータサイエンスが死活的に重要になる、ということを予想していた人はほとんどいなかったでしょう。AI研究は、様々な分野の研究や社会の活動(たとえば物流や戦争)に応用されていくでしょうし、研究・開発や社会のあり方を変えていくでしょう。
20世紀を通して、多くの分野の研究が数学を取り入れてきました。天文学なども、たとえば、重力波やブラックホールの観測にしても、数学との融合がなければできなかったことです。AI研究の応用も、この延長上にあることといえるでしょう。
人文・社会の研究については、経済学や一部の社会調査を除けば、数学との融合は非常に遅れてきました。困難であったりやむをえなかった面もあるのですが、AI研究が人間の心理や知覚、美的価値も対象にしうる以上、人文・社会研究もAI研究やデータサイエンスを取り入れることが避けられなくなっていくでしょう。人文・社会や社会の様々な側面にAI研究を応用することについては、欧米が先んじるかもしれません。AI研究は中国で膨大な予算を投入されて進められていますが、Eコマースや治安への応用はできても、人間や社会について幅広く応用するための幅広い蓄積があるかというと疑問です。日本は、数学や情報科学はともかく、人文・社会の研究は一昔前の欧米の後追いをしているだけの部分がかなり大きいので、応用はきかないでしょう。人文・社会研究の蓄積や、学問の垣根を越えて融合させることについては、欧米に最も大きな蓄積があるといえます。日本でも、第5の科学領域として「AI駆動科学」が提起されています。
今のところ、AIで仮説生成・検証するような、ライフサイエンスやマテリアルスが中心です。
MITの新カレッジは、サイエンスにとどまらず人文・社会学など学問全体にAI活用を拡げようという野心的な試みにみえます。
コンピュータ・数学が得意な文系学部の研究者にはチャンス到来ですね。世界最大の巨大複合オータナティブファンドであるブラクストンを率いるスティーブ・シュワルツマンが寄付した3.5億ドル(約400億円)を核に、MITが10億ドル(約1,100億円)を投じて設立するAIの新たな研究所。これまでこうしたビリオネアの寄付先としてMBAが多かったけど自然科学分野に投じるケースが増えてきていて素晴らしい。ビジネス界で世界の最先端を行っている人には、自分の出身母体と関係なくどの分野が社会全体に長期的な恩恵があるのかよく見えているということ