[東京 25日 ロイター] - 米カーライル・グループ<CG.O>の共同最高経営責任者(CEO)キューソン・リー氏は、ロイターとのインタビューで、日本市場では大企業の子会社売却がプライベート・エクイティ(PE)投資の大きな機会になるとの見方を示した。また、他のPEとの競争環境は厳しくなり、投資先となる日本企業の買収価格も上がるだろうとの見通しも示した。

リー氏は、日本市場について「大企業は非中核事業を売却して、中核事業に資源を傾ける必要があるということが分かった。なぜならこれまで資本が的確に分配されておらず、これからは成長分野、あるいは株主価値をより高める分野や強みのある分野に投資しないといけないことに気づいたからだ」と指摘。同グループにとって、関心の高い市場であるとの見方を示した。

近年、プライベート・エクイティが日本の大企業・子会社の引受先となる案件に対する注目が集まっている。

特に昨年の東芝<6502.T>による東芝メモリの売却はこの市場をけん引。そのほか昨年は、日立製作所<6501.T>が子会社2社を米投資ファンドKKR<KKR.N>に売却している。

カーライルは、日本に拠点を置くグローバルファンドのひとつ。KKRやベインキャピタルと異なるのは、日本の案件に投資するためのファンドを持っていることだ。現在、運用している日本ファンドは1195億円規模。

リー氏は、必要があれば他の地域のファンドと共同で投資することが可能だと述べた。

そのうえで、今後の投資方針について「一番大切なことは、良い投資案件であるか、ターゲットにした企業が、良い経営陣を持っているか、良い企業であるかということだ」と述べた。

*インタビューは17日に行いました。写真を差し替えて再送します。

(藤田淳子 編集:田巻一彦)