インフル薬市場、タミフル危うし!塩野義製薬が新薬で本格参戦
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発熱期間を少し短くするだけの抗インフルエンザ薬に医療費を大量に投入する方針をとってるのは日本だけです。海外ではハイリスク患者のみなどしか処方されない国が多いです。
医療費の適正配分という意味では今後日本でも処方が制限されていくべきところではないでしょうか。
日本は人口が3倍近いアメリカの倍以上処方され、世界で最も抗インフルエンザ薬を処方されている国です(2位はアメリカ)。
https://indeep.jp/almost-consumption-of-no-effect-tamiful-is-in-japan/
インフルエンザの診断もインフルエンザに特化した治療も、コスト対ベネフィットを考えると必要最低限にしていくべきです。少なくとも現状以上に新薬や新たな診断法の開発にコストを割くべきではありません。高齢者やインフルエンザ後の肺炎、なんらかの基礎疾患のある方などに対象を絞るべきです。発売開始当初、論文もない状態でしたが、先日やっと発表されました。下記に論文の要旨をまとめますが、この薬剤でいけない理由はなく、安易な処方は避けるべきと考えます。
New England Journal of Medicine 2018; 379: 913-923.
1. 何も飲まないよりは有症状の期間を1日短縮するが、タミフルとの差はない。
2. ウイルス検出期間はタミフルよりも2-3日短縮する。
3. 約1割の患者ではウイルスに遺伝子変異を生じ、ウイルス検出期間の延長と有症状期間の延長がみられる。
さて、内服、しかも1回だけ、というと気軽な感じがしますが、それだけで選ばないで下さい。そもそも薬は飲まなくても治りますが、辛いので薬は飲みたいというのもわかります。
ただ、多少の知識は持ってインフルエンザ診療を受けて下さい。
最も大切なことは感染を予防することと拡大させないこと。ワクチンの接種と、かかった際にはマスクをして外出は控え周囲に拡げないこと。
両親・子供という家族の場合に母親が最初にかかるより、父親が最初にかかると家族内で伝搬しやすいという観察研究があるくらいで、父親がどうこうと言うわけではないですが何より感染を拡大させない「配慮」が必要です。
各種の薬剤は症状を軽快させるという意味では効果に差はありません。ちなみに10代の異常行動とタミフルは関係ないということで結論になっています(どの薬剤で治療していても異常行動に注意が必要ということです)。
何が違うかというと、値段は大きく違います。
タミフル先発品2720円、後発品1360円
イナビル4280円
ゾフルーザ4790円 (80kg以上だと9580円)
治療について、48時間以降は意味がありません。薬を飲んでも有症状期間は一緒です。
医師からの視点ですと、現状でゾフルーザの必要性はかなり限定的で、承認されなくても良かったレベルです、個人的には。(他薬剤耐性ウイルスが検出されるといった特殊環境のぞく)
でもきっと今年は塩野義のMRさんががんばればがんばるほど、たくさん処方されると思います。せめて!!
「遺伝子変異は大丈夫でしょうか?」
と聞いてまともな返事が返ってくる医師に処方してもらって下さい。1割も効かず、有症状期間もウイルス検出期間も延長してしまう薬剤を安易に使う気には私はなりません。薬のことは全く専門外ですが、私、風邪で病院に行ったのはもう20年前が最後です。
もちろん、たまに風邪引きますが、1年に1回引くか引かないか程度です。市販の漢方薬で数日で治ります。
当然ですが、インフルエンザにも罹っていません。
日本では、薬を飲み過ぎて本来持つ耐性を下げているようにしか思わないです。
病院に行くと風邪がうつりそうで怖くて行けないです。
ましてやインフルエンザの流行時には、病院こそ感染の場所だと思うのです。
だって、患者さんが待合室で沢山待っている日本の病院の姿は、普通じゃないと思うから…