【白川方明】リーマン危機の時、世界は本当に「崩壊寸前」だった
NewsPicks編集部
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【取材者より】日銀の白川前総裁がマスコミの前で話すのは、実に5年半ぶりでした。発言のトーンは落ち着いていますが、内容はかなり踏み込んでいました。その内容を前編・後編でお伝えします。
前編は、2008年リーマン・ショック当時の回想です。リーマン危機についてはいろいろな説明を見聞きし読んできましたが、これほどシンプルな説明と仮説はないのでは、と思います。ざっくり言うと、「FRBがリーマン・ブラザーズに税金を投入するための世論の合意がなかったから」。
現場を近くで見ている当事者の言葉は、いつもシンプルです。「金融とか中央銀行とかは難しい」というイメージがあり、自分自身、金融取材は難しいと感じますが、こういう会見を取材するたびに「金融は面白い」という感覚になります。
→あす(水)公開の後編は、日本の金融政策についてです。ご期待ください。白川前総裁がひっそりと進めてきた著書『中央銀行ーセントラルバンカーの経験した39年」が遂に上梓されました。著者自身、時代の「再現」に努めたという、800ページ弱に及ぶ大作です。
退任翌日に夫婦で小石川植物園に足を運んだ描写に始まり、売店の女性とのやりとりから、ソフトクリームとコーヒーを味わいながら激動の5年間を終えた解放感に浸ったことなどが、伝わってきます。もちろん、読む人が読めば、現体制への批判が含まれているのは、あえて意図してのことでしょう。
この出版を受けて行われた講演に、NewsPicksが足を運びました。谷口記者が前編・後編にわたってお届けします。