「iPhoneを2億台作る」アップルの強みと弱み
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Appleの現実。
そもそもこれだけの台数を作ることも売ることも、とんでもなく難しい。それをリークもあるとは言え秘密裡に進め、発売初日に買えるように一気に世界中に届ける。
また、多くの人が持つ=コモディティになることが普通な中で、価格を上げていってブランドを維持向上している。
進化が少ない、つまらなくなっている側面もあるが、一方で挑戦者だった昔より、王者としてはるかに難しいこともやっている。NP、AppleのiPhone関連記事は今回は西田宗千佳さんにお願いしたんですね。
流石のクオリティの記事でNP読者層向けの中身になっててごちそうさまでした。
記事の指摘通り、1億台のサプライチェーンを構築するのはなかなかにチャレンジングです。だからFaceIDもアンテナ向けの高密度多層基板メトロサークも昨年は立ち上げに非常に苦労したわけです。今年もXR向けの液晶パネルはぱっと見はXSの有機ELパネルと変わらないけど、新たに設計し直されてるわけでそこで産みの苦しみはあったわけです。
製造系の苦しみもあるわけですが、こうしたハードウェアとソフトウェアを両方きちんと一緒に立ち上げるからこそある一定のユーザビリティやクオリティを保ててるわけです。スマホの細かいユーザビリティの殆どはそこから来てるわけです。タッチセンシングとかタッチインターフェースの使い心地とかがその最たる例でしょう。
こうした細かいユーザビリティや生産性を気にする人は今後もiPhoneを使うだろうし、そうでなければ尖ったデバイスや廉価なデバイスを使うのもアリなのでしょう。
サプライヤーからすると、ピークキャパシティに合わせてキャパシティを確保するのもまたひと苦労と思います。一気に数千万台を店頭に並べるということは数ヶ月前からそれなりの仕込みをせねばならず、そのために生産ラインを空けなくてはならないわけで。
ただ、Appleが採用した、となればやはり大きなムーブメントも起こるわけです。指紋認証やら顔認証やらアルミ筐体やらゴリラガラスやらフルタッチスクリーンやらAppleが採用したことで一気にスターダムにのし上がった技術が沢山あり、こうした様々なダイナミックな動きが起こるのがAppleビジネスなのでしょう。
この流れを壊せるのはHuaweiくらいかなあ、と最近感じています。進化が少なく、間違い探しの領域になっていたりするiPhoneそしてAppleの現実を分かりやすく解説しています。私は同じ業界にいたので、全て知っているAppleの現実でしたが、勉強になる人も多いかもしれませんね。そして、このAppleの状況がイノベーションのジレンマそのものだと感じています。
Appleにあこがれていた人の多くは、ジョブズの起こすイノベーションに心酔していました。イノベーション【未来】は、現実【今や過去】を壊さないと、達成できませんし、ジョブズなら、自分の手で自らの過去を否定出来たでしょうが、イノベーターではないクックは、この現実を自ら壊したりしないでしょう。多くの人が熱狂したAppleが戻って来るのは、難しいかもしれませんが、その時を待ちたいと思います。