[東京 18日 ロイター] - 財務省が18日公表した9月の通関統計によると、輸出は前年比1.2%減の6兆7266億円となり2016年11月以来22カ月ぶりのマイナスとなった。豪州向け自動車や中国向け携帯電話(スマートフォン)部品などの輸出が大きく減少した。関西空港閉鎖など台風・豪雨の影響も大きいという。

9月の輸入は前年比7.0%増の6兆5871億円、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は1396億円の黒字と、3カ月ぶりに黒字転換した。4-9月(2018年度上期)の貿易収支は2220億円の黒字で、米政権や金融市場が注目する対米貿易収支は3兆0932億円の黒字だった。

<関空閉鎖影響、対米鉄鋼・自動車の輸出減続く>

9月の輸出について、財務省では関空取扱輸出が前年比58%の大幅減となったのが響いたと説明している。米中貿易摩擦の影響などについては判断が難しいとの立場だ。

豪州向け自動車と中国向けスマホ部品のほか、米国向け建設・鉱山機械や自動車部品(ギアボックス)、医薬品、欧州連合(EU)向け自動車、船舶、中国向け半導体電子部品、科学光学機器などの輸出が減少した。

追加関税の発動対象となっている米国向け鉄鋼は5カ月連続で減少した。日米通商交渉の焦点となっている対米自動車輸出は台数ベースで4カ月連続で減少した。

<上期対米自動車輸出は台数で3.4%減>

18年度上期の輸出は前年比5.2%増の40兆3657億円、輸入は同10.0%増の40兆1437億円だった。

輸出は中国向け液晶製造装置やアラブ首長国連邦向け自動車、韓国向け重油などが伸びた。日米通商交渉で焦点となっている自動車の対米輸出の前年比は、台数で3.4%減、金額で3.7%減だった。

*内容を追加しました。

(竹本能文)