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ブーフーウーを買収することで垂直統合による何らかの構造的優位性を作りたかったのだろうか。おそらく川下(リテール小売)が調子良かったから、それをさらに支えるために川上(製造)も欲しくなったけど、逆にお荷物になってしまったということであればよくある話。農業界でいうと、ぶどう作ってる農家が今までワインを製造委託していたけど、自社工場欲しくなって小さいワイナリーを買ったり、自分で建てたりして失敗するパターン。例えばワイナリーなどは、超絶厳しい世界で、収穫シーズンにしか稼働しないから年間稼働率十数パーセントだったりする。それを持った時点で負け戦確定みたいな。アパレルの製造も自社工場もった時点で負け戦。垂直統合で優位性を作るというのはいずれにしても至難の技。
ブーフーウーの3億円の債務が経営を圧迫したことは事実でしょうが、AKIRAの破綻の原因はどうもそこだけでない気がしますね。

AKIRAの5億6500万円の売上で負債額は13億円以上です。
大きな設備投資を必要としないビジネスにも関わらず、この大きすぎる負債の原因は、中古商品の買取りを本部が一括して行い、販売をFCに依頼するというモデルにあったと考えられます。

つまりFCにとってみれば、在庫負担が一切発生しないのが大きなメリットとなるため、FC店舗が急増し、その結果AKIRAの売上は急増する要因だったわけですが、逆に言えば、商品が売れなければ、仕入代金が丸々本部負担になってしまう危険なモデルでもあったわけです。

そして実際中古品が売れなくなった。
その理由は、間違いなくメルカリやネットオークションの普及でしょう。
つまり、ブーフーウーを買収しなくても、遅かれ早かれ破綻するモデルだったと考えられます。

そもそも売上が拡大しているにも関わらず、保証協会が通さなかったのは、そうした背景があったと考えるのが自然です。
その証拠に、民事再生ではなく破産になったのは、すでにビジネスモデル自体が成り立たないため清算価値を下回る配当しか出ないことが明らかだったからだと思われます。

服のリサイクル店が、高額なブランドだったブーフーウーを買収した時点で、そもそもビジネス的に成り立っていないということも言えなくもありませんが、このケースでは買収はビジネスモデルの綻びを早めただけだったのかもしれません。
企業が買収をすると、比較的、好意的なニュースとして取り上げらます。

しかし、本当の成否を決めるのは、それからの統合あってのもの。5年、10年といったスパンで利益を生まなければ、その買収は「成功」とは呼べません。

帝国データバンクの記者が執筆した今回倒産ルポは、そうした買収の怖さを如実に表しています。
今回の事例は、民事再生法申請企業のスポンサーとなった会社が後に破綻に追い込まれた事例です。結果として、二社ともに共倒れの形になってしまいました。民事再生法を申請した会社の再建可能性を高める大きな要素が、信用力のあるスポンサーの有無です(中小企業の99%以上は、スポンサーがつかない自主再建型)。ですが、どんな会社でもスポンサーがつけばいい、というものではありません。やはりスポンサーの条件として大事なのは、再生企業の後ろ楯となる「信用力」の部分なのでしょう。
M&Aって本当に難しいものですよね。成功率は2割もいかないとか。
M&Aとのその後の統合の経験値をためていかないと一回で百発百中は難しいと思うし、経験値ためている(はずの)会社でもなかなかうまく行かないのが実情。
成功ストーリーに偏った発信の中で、リアルな栄枯盛衰を描くこのシリーズは本当に貴重と思います。

成功ストーリーの中にいる登場人物である経営者でも、すべからくほとんどの人が若い頃の大きな失敗体験を持っている。
この連載について
信用調査のプロである帝国データバンクの記者たちが、NewsPicksだけでお送りするオリジナル連載「こうして企業は倒産する」をリニューアルしてアップデート。話題の倒産を追う「倒産ルポ」、マクロの倒産動向の解説、最新の産業トレンド、独自の特別企画レポートなどを毎週木曜日にお届けします。