[東京 12日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、小幅にドル高/円安の112円前半。日本や中国の株価が下落幅を縮小し、前営業日比でプラスに転じたことを好感し、ドル/円でも投機筋の買い戻しが先行した。週末を控えて実需筋は様子見の構えだった。

ドルは、株価の下落予想を手がかりに、早朝の取引で一時112.01円まで下落した。しかし、前引けにかけて日経平均が下げ幅を縮小し、後場にはプラス圏に転じるなど、下げが一服したことから、ドル/円でも買戻しが先行した。中国株の反発も好感された。

ユーロは一時1.1611ドルまで上昇。海外高値を小幅に上抜け、今月1日以来2週間ぶり高値を更新した。

来週にかけては、米財務省の為替報告書の議会提出期限が15日に迫っていることや、米中貿易摩擦の行方がリスク要因とみられているほか、中国の景気減速や債務問題などを含む「チャイナ・リスク」が幅広い投資家層に意識されている

市場では、米国が為替報告書で中国を為替操作国として認定しなくても、人民元に関する表現を一段と厳しくする可能性があるとの声も出ている。そうなれば「貿易戦争の激化懸念を通じて、元安/ドル高がさらに進むかもしれない」(外銀)との指摘があった。

上海外為市場の人民元<CNY=CFXS>は1ドル=6.9034元付近。前日は一時6.9336元まで人民元安が進んだが、きょうは人民元高方向に振れている。

ムニューシン米財務長官は10日、英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙とのインタビューで、中国の人民元が今年「大幅に」下落したとし、通貨問題を「注視している」と強調した。人民元は3月後半に付けた今年の最高値6.2418元から10.5%下落している。

こうした中、前日節目とみられてきた2600を割り込んだ上海総合株価指数は、2599付近と前日比で0.61%高となった。しかし、水準としては、依然約4年ぶりの安値圏を推移している。

中国税関によると、中国の対米貿易黒字は9月に341.3億ドルとなり過去最高を記録した。8月は310.5億ドルの黒字だった。

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 112.38/40 1.1589/93 130.26/30

午前9時現在 112.07/09 1.1588/92 129.89/93

NY午後5時 112.16/17 1.1593/95 130.02/06

(為替マーケットチーム)